加藤誠之

カトウセイシ：トヨタ自動車の発展に貢献した実業家

加藤誠之（1907年11月25日 - 1995年12月13日）は、日本の実業家として、トヨタ自動車の発展に大きく貢献した人物です。三重県伊勢市に生まれ、甲陽中学校（現在の甲陽学院中学校・高等学校）を経て、関西学院高等商業学部を卒業。その後、日本ゼネラルモータースに入社し、企業社会での経験を積みました。

1937年、トヨタ自動車工業設立と同時に同社へ入社。以来、トヨタグループにおいて、長きに渡り要職を歴任することになります。1950年には、トヨタ自動車販売の設立に伴い同社へ移籍。常務取締役として活躍し、1966年には男子プロゴルフ大会『中日クラウンズ』へのトヨタのスポンサー参加を決定するなど、企業戦略にも深く関わりました。

1975年にはトヨタ自動車販売の取締役社長に就任し、企業の成長を牽引。さらに1982年には取締役会長に昇進。同年にトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売が合併してトヨタ自動車が発足すると、監査役、相談役、顧問として、長年の経験と知見を活かし、企業の運営に貢献しました。神谷正太郎氏とともに、トヨタの販売網の基礎を築き上げた功績は特筆に値します。

企業活動に加え、加藤氏は教育や文化活動にも積極的に関わりました。1989年から1992年にかけては、学校法人関西学院の理事長を務め、教育界にも貢献。また、1989年の世界デザイン博覧会では博覧会協会理事長として、博覧会の成功に尽力しました。自ら入場券を売り歩くなど、その熱意は博覧会の成功に大きく貢献したとされています。

これらの功績が認められ、1979年には勲二等旭日重光章を受章。1995年、88歳で逝去しました。没後も、その功績は高く評価され続けています。加藤氏の次男はレーシングカーデザイナーの加藤眞氏です。

加藤誠之氏の生涯は、企業経営者としての成功だけでなく、教育、文化活動への積極的な関与を通じて、社会全体への貢献を体現したと言えるでしょう。トヨタ自動車の発展に大きく貢献しただけでなく、幅広い分野でリーダーシップを発揮し、日本の経済界、そして社会全体に大きな足跡を残しました。彼の功績は、現在もトヨタ自動車、そして日本の産業界に大きな影響を与え続けています。

参考文献

私の履歴書、日本経済新聞、1980年7月
関西学院事典（2001年）ISBN 4-907654-31-6

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