加賀丸いも

加賀丸いも（かがまるいも）

加賀丸いもは、石川県能美市と小松市の一部地域で栽培されている、ヤマノイモ科ヤマノイモ属のナガイモの一種です。特にツクネイモ群に属する品種で、その独特な形状と食感が特徴です。

特徴

加賀丸いもは、他の長芋とは異なり、丸い形をしているのが特徴です。良質なものはソフトボールほどの大きさになり、その形状から「丸いも」と呼ばれています。すりおろすと非常に強い粘りがあり、独特の食感と風味が楽しめます。この粘りと風味が、高級料亭や贈答品として珍重される理由の一つです。

歴史

加賀丸いもの発祥については諸説ありますが、有力な説として、大正時代にこの地域の二人の人物が伊勢神宮参拝の際に持ち帰った伊勢いもが起源とされています。持ち帰られた伊勢いもが栽培される過程で、1934年の手取川の氾濫によって畑に川砂が混入し、その影響で徐々に丸い形になったと言われています。

1950年代前半までは、単に「やまのいも」として出荷・販売されていましたが、その後「加賀丸いも」という名称が付けられ、地域ブランドとして確立しました。

利用

加賀丸いもはその独特の食感と風味から、様々な料理に利用されます。特に、すりおろしてとろろとして食べるのが一般的ですが、高級料亭では、その粘りと風味を生かした料理が提供されています。また、贈答品としての需要も高く、和菓子の材料としても使われています。地元では、加賀丸いもを使った様々な加工品も開発されており、地域特産品として人気を集めています。

栽培地域

加賀丸いもは、能美市と小松市という限られた地域でのみ栽培されています。この地域特有の気候や土壌が、加賀丸いもの独特の品質を育んでいると考えられています。そのため、生産量が限られており、希少な高級食材として扱われています。

その他

加賀丸いもは、石川県を代表する伝統野菜である「加賀野菜」の一つとしても知られています。その独特な形状と食感、そして歴史が、多くの人に愛されています。

関連情報

加賀野菜: 石川県で栽培されている伝統的な野菜の総称。
外部リンク:
* 加賀丸いも（登録番号第17号）:登録の公示・登録産品紹介 - 農林水産省[[地理的表示]保護制度登録産品](https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/17.html)

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