加賀山之雄

加賀山之雄 - 鉄道官僚と政治家の軌跡

加賀山之雄（かがやま ゆきお）は、1902年12月30日に福井県大野郡大野町（現在の大野市）に生まれ、1970年8月7日に68歳で逝去した、日本の鉄道官僚であり政治家です。彼は昭和期を通じて、国鉄の発展に寄与し、またその政治活動を通じて日本社会に一定の影響を及ぼしました。

来歴と教育

福井県の大野町で育った加賀山は、大野中学、そして一高を経て、1927年に東京帝国大学法学部法律学科を卒業しました。卒業後、彼は鉄道省に入省し、その後のキャリアを築いていきました。1932年には、当時の鉄道官僚であった十河信二の娘と結婚し、その家庭環境も彼の今後の政治キャリアに影響を与えたと考えられます。

国鉄総裁としての業績

1949年、加賀山は国鉄が発足する際、副総裁に就任しました。彼の任命は最初は総裁に予定されていましたが、当時の占領軍GHQの意向により変更され、下山定則が初代総裁に就任しました。しかし、下山が突然の事件によって亡くなると、加賀山は急遽総裁代行に選任され、その後、正式に総裁となりました。

彼の在任中には、国鉄の労使関係が緊迫する中、数々の事件が発生しました。特に1951年の桜木町事故により国鉄は激しい批判にさらされ、加賀山は証人喚問に呼ばれました。この事態は彼に重い責任を課し、その結果、彼は8月に辞任に追い込まれました。

政治家としての活動

国鉄総裁を辞任した後の1952年、加賀山は鉄道会館の社長に就任します。さらに1953年には無所属で第3回参議院議員通常選挙に立候補し当選。以降、彼は緑風会に属し、1959年の選挙でも再選を果たすなど、合計2期にわたり参議院議員として活躍しました。その後、1970年に他界するまでに、彼が持つネットワークや知識は政治的な議論において重要な役割を果たしました。

国鉄スワローズの設立

加賀山は1950年1月25日に国鉄スワローズ（現在の東京ヤクルトスワローズ）を設立しました。この設立には、当時の社会が抱える暗い状況を打破する狙いがあったと言われています。さらに、プロ野球シーズンオフに国鉄野球部から選手が引き抜かれる事態が起き、国鉄職員へのレクリエーションの一環としても意義がありました。ただ、桜木町事故が発生すると、世論からは野球に興じることを批判され、加賀山に対する非難が高まりました。

最後に

加賀山之雄は1970年に亡くなる際、勲一等瑞宝章を追贈され、正五位から正三位に叙せられました。また、彼の影響力は後世にいくつかの著名な人物、甥の加賀山朝雄や遠縁の岡田啓介等を通じて引き継がれています。加賀山の顕彰や記念碑は現在も日本各所で見られ、彼の功績は今も多くの人々に語り継がれています。

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