加賀爪直清

加賀爪直清（かがつめ なおきよ）は、江戸時代前期に活躍した大名であり、加賀爪上杉家の9代目当主として、また武蔵国高坂藩の2代目藩主として知られています。彼の名前は、加々爪とも表記されることがあります。

直清は、寛永20年（1643年）に伊勢国神戸藩の初代藩主であった石川総長の次男としてこの世に生を受けました。本来、彼が加賀爪家を継ぐ立場ではありませんでしたが、従兄にあたる加賀爪直輔が万治3年（1660年）に若くして亡くなったため、伯父である加賀爪直澄の養子となることになりました。

延宝7年（1679年）6月18日、直清は養父である直澄の隠居に伴い、加賀爪家の家督を継承しました。しかし、藩主としての彼の道のりは長くは続きませんでした。

延宝9年（1681年）2月9日、直清は旗本である成瀬正章との間で、知行地の境界を巡る問題に直面しました。この問題に関して幕府に提出した書類に誤りや矛盾があったことが発覚し、結果として改易という処分を受けることになったのです。この問題の根本的な原因は、養父である直澄が加増を受けた際に、境界をきちんと確認せずに受け取ったことにありました。

改易後、直澄は土佐新田藩の4代目藩主である山内豊昌に、そして直清は実兄である神戸藩の2代目藩主、石川総良にそれぞれ預けられることとなりました。

直清は、貞享2年（1685年）10月4日に43歳でこの世を去りました。奇しくも、その前日には養父である直澄が土佐の地で76歳で亡くなっており、短い期間に二人の死が重なるという出来事となりました。

加賀爪直清の生涯は、養子としての家督相続から始まり、知行地問題による改易、そしてその後の失意の晩年という、波乱に満ちたものでした。彼の人生は、江戸時代の大名家の複雑な事情と、それに翻弄される人々の運命を物語る一例と言えるでしょう。

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