山内豊昌

山内豊昌（やまうち とよまさ）

山内豊昌は、江戸時代前期の土佐藩第4代藩主です。寛永18年（1641年）に第3代藩主・山内忠豊の長男として生まれました。明暦3年（1657年）に元服し、寛文9年（1669年）に父の隠居により家督を継ぎました。

藩政改革

豊昌は藩主権力の確立を目指し、様々な改革に取り組みました。天和元年（1681年）には、それまで地方の領主に領地を支配させていた地方知行制を廃止し、藩が直接米を支給する蔵米支給制に改めました。また、天和3年（1683年）以降は、年ごとの年貢を平均して徴収する平等免制度を導入しました。これにより、農民の負担を安定させるとともに、藩の収入を安定させる狙いがありました。

元禄3年（1690年）には、藩士や領民の生活を統制するための「元禄大定目」を制定しました。これは、藩の秩序を維持し、藩政を安定させるための重要な政策でした。これらの改革は、天和の改革と呼ばれています。

武芸奨励

豊昌は剣術の達人としても知られており、武術を奨励しました。藩士の武芸の向上に努め、藩の軍事力の強化を図りました。

失政

しかし、豊昌の治世には失政も目立ちました。元禄元年（1688年）には、支藩である中村藩が改易となり、藩政改革における交通路改築の失敗、さらに自身の能楽や食道楽による浪費が重なり、藩の財政を悪化させました。また、山林の荒廃を招くなど、藩政運営には課題が残りました。

死去とその後

元禄13年（1700年）9月14日、江戸にて60歳で死去しました。男子がいなかったため、分家の山内豊房を婿養子として迎え、後を継がせました。

人物

豊昌は、後に12代藩主となる山内豊資が名付け親とされる「酒盗」を好んでいたと伝えられています。

系譜

父：山内忠豊（1609-1669）
母：長姫 - 長光院、池田利隆の娘
正室：仙寿院 - 松平定頼の四女
側室：法雲院 - 三条公富の娘

生母不明の子女
女子：多代 - 国、高寿院、山内豊房正室
女子：玉姫 - 京極高豊正室
女子：阿部正邦正室
女子

養子
男子：山内豊房（1672-1706） - 山内一俊の長男
女子：休 - 久留島通政継室、山内一俊娘

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