勝又俊教

勝又俊教（かつまた しゅんぎょう）は、1909年（明治42年）に新潟県で生まれ、1994年（平成6年）に没した、日本の仏教学者、学僧です。大正大学の名誉教授として、長年にわたり仏教研究と教育に貢献しました。

学歴と研究

勝又俊教は、東京大学文学部印度哲学科を卒業し、仏教、特に心識説や密教に関する研究に深く携わりました。1960年には、東洋大学に学位論文『仏教における心識説の研究』を提出し、文学博士号を取得しています。この研究は、仏教思想における心の働きや認識に関する重要な考察であり、勝又俊教の学問的基盤を形成しました。

大学における活動

勝又俊教は、東洋大学と大正大学で教鞭を執り、多くの学生を育成しました。1978年には、第22代大正大学学長に就任し、大学の発展に尽力しました。退職後、大正大学名誉教授の称号が贈られています。

宗門における活動

勝又俊教は、学術研究だけでなく、宗門においても重要な役割を果たしました。真言宗豊山派総本山長谷寺の第79世能化を務めたほか、真言宗長者、千葉市広徳院住職も歴任しました。これらの役職を通じて、仏教の教えを広め、寺院の運営にも貢献しました。

著作

勝又俊教は、数多くの著作を著し、仏教研究の発展に貢献しました。

訳注
『空海　秘密曼荼羅十住心論』明治書院 1954
* 『秘蔵宝鑰　般若心経秘鍵』[大蔵出版] 1977、新装版 1998年

これらの著作は、仏教思想や密教に関する重要な文献を現代に伝え、研究者や仏教に関心のある人々にとって貴重な資料となっています。

論文

勝又俊教の論文は、CiNiiやINBUDSなどの学術データベースで検索することができます。これらの論文は、仏教の教義や歴史に関する深い考察を提供しています。

記念論集

勝又俊教の古希を記念して、『大乗仏教から密教へ - 勝又俊教博士古稀記念論集』（春秋社、1981年）が刊行されました。この論集は、勝又俊教の研究業績を称え、仏教研究における彼の貢献を再評価するものです。

関連資料

松崎恵水による「巨星 勝又俊教先生を慕う」という追悼記事が、『大正大学学報』70号（1995年）に掲載されています。この文章は、勝又俊教の人となりや業績を偲ぶ上で貴重な資料となっています。

勝又俊教は、学術研究と宗教活動の両面で優れた業績を残し、日本の仏教界に大きな足跡を残しました。彼の研究は、現代の仏教研究においても重要な意義を持ち続けています。

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