勤労者音楽協議会

勤労者音楽協議会について

勤労者音楽協議会（きんろうしゃおんがくきょうぎかい）は、日本における音楽鑑賞団体の一つであり、通称「労音（ろうおん）」として親しまれています。この団体は会員制を基に運営され、音楽の普及と鑑賞を目的としています。その起源は1949年に大阪で結成された「関西勤労者音楽協議会」に遡ります。

起源と歴史

この会の創立者は、職場で活動していた合唱団や軽[[音楽]]団に関わっていた音楽愛好家たちです。初代会長には宝塚歌劇団の音楽監督であった須藤五郎が就任し、「良い音楽を安く」というスローガンのもとに活動が始まりました。1950年代には多くの地域で新たに組織が結成され、京都や横浜など各地で例会が行われるようになり、その人数も急増しました。

1955年には、東京労音が結成され、全国労音連絡会議が初めて開催され、組織としてのネットワークが強化されていきました。この時期、1956年までには77労音が誕生し、会員数は32万人に達しました。1965年までに組織は最盛期を迎え、192の地域組織を持ち、会員数は65万人を超えました。

衰退と発展

しかし、1970年代初頭には大都市を中心に組織が衰退し始めました。その一方で、地方都市では公共ホールの整備が進んだことで、新たな地域組織が発足し、異なる形での音楽活動が行われるようになりました。特に1980年代のバブル経済の中で、地方都市の音楽文化が新たに芽生えました。

また、労音の急成長を背景に、企業や宗教団体が支援を行い、音楽公共団体が多数設立されました。このような背景が、労音の衰退の一因ともなりました。

様々な音楽活動

労音は、オペラやミュージカルの制作にも力を入れ、1960年代には大阪労音が関連する人気作品が多く上演されてきました。『見上げてごらん夜の星を』などの名曲も、労音が蜜月期に生み出したものです。また、坂本九や雪村いづみなどの著名アーティストもこの活動の影響を受け、彼らの楽曲やパフォーマンスが生まれる土壌となりました。

音楽家の育成

労音は、数多くの合唱団やオーケストラを輩出し、これらの団体はその後独立して活動を続けています。例えば、1951年に発足した神戸労音合唱団や、東京労音アンサンブルなどがその例です。これらの団体は現在も多様な音楽活動を展開し、労音との関係を維持しているケースも多く見られます。

まとめ

勤労者音楽協議会は、音楽文化の醸成に貢献し、共に楽しむための場を提供してきました。その歴史は経緯こそ変化を遂げていますが、多くの地域で音楽を通じた交流が続いています。現在、約40以上の名称を持つ組織が全国に存在し、数万人の会員がこのネットワークに属します。これからも音楽を通じたコミュニティづくりは続いていくことでしょう。

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