須藤五郎

須藤五郎（すどう ごろう）の生涯と業績

須藤五郎（1897年9月14日-1988年11月18日）は、日本の音楽界において重要な役割を果たした音楽家であり、政治活動にも従事した政治家です。彼は、日本共産党の参議院議員を4期にわたって務め、その筆名として「鳥羽英夫」を使用していました。

来歴

須藤は三重県鳥羽市で生まれ、旧制東京音楽学校を卒業後、東洋音楽学校（現・東京音楽大学）で教師として活躍しました。彼は1922年から宝塚歌劇団の作曲家・指揮者として名を馳せ、その後も数多くの作品を手がけました。1928年に三・一五事件が発生すると、日本共産党中央委員会の壊滅に伴い、彼は地下党に資金援助を行い、その結果として1930年に逮捕され投獄されました。このとき、彼は作曲した作品「しぐれに寄する抒情」が後に三浦環により広く知られることとなります。

1935年にはドイツへ渡り、ゲオルク・シューマンから指導を受けました。彼は1938年から1939年にかけて、宝塚歌劇団のヨーロッパ公演において指揮者としての役割を果たし、音楽界での評価を高めました。

戦後の活動

戦後の須藤は、宝塚労働組合を結成し、委員長に就任しましたが、不当解雇という困難な局面を迎えます。1948年には日本共産党に入党し、1949年には「関西勤労者音楽協議会」の初代会長として音楽活動を支援しました。1950年の第2回参議院議員通常選挙では全国区から立候補し、見事当選。以後も1959年、1965年、1971年の各選挙において当選を果たしました。

彼は国会対策委員長や名誉中央委員などの役職を務め、特に沖縄にある国立劇場おきなわの設立に尽力したことが評価されています。

音楽作品

須藤は音楽家として多くの作品を残しましたが、その中でも特に宝塚歌劇団のために作曲した楽曲は数多くあります。代表作品には「學生通辯」（1924年）や「マルファの昇天」（1925年）などがあります。また、映画の音楽も手がけており、「女學生と兵隊」（1940年）、そして「風雲金比羅山」（1950年）などに楽曲提供を行いました。

加えて、地域の市歌も多数作成しており、例えば1946年に公募によって作られた豊中市歌や、姫路市歌、綾部市歌などが挙げられます。また、1937年には美幌町町歌を手がけており、その作曲は地域社会に大きな影響を与えました。

晩年と死去

須藤五郎は1988年11月18日、急性呼吸不全により大阪府堺市の同仁会耳原総合病院で亡くなりました。彼は91歳で、音楽と政治の両面で活躍したその生涯は、後の世代に多くの影響を与え続けています。

須藤の業績は、日本の音楽文化と政治において欠かせない存在であり、その影響は現在でも感じられます。

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