勿来バイパス

勿来バイパス

勿来バイパスは、国道6号の茨城県北茨城市関本町関本中から福島県いわき市勿来町四沢鍵田に至る全長4.4kmのバイパス道路です。このバイパスは、現道の交通渋滞の緩和と、災害時の代替路としての機能確保を目的として計画されました。道路規格は3種2級で、設計速度は60km/h、道路幅員は10.55〜11m、車線数は2車線となっています。

概要

国道6号の現道は、特に県境付近において慢性的な交通渋滞が発生しており、交通事故の多発や救急搬送の遅延などが問題視されていました。特に夏季の海水浴シーズンには、交通容量を超える車両が集中し、この問題が顕著になります。また、2011年の東日本大震災では、津波による冠水で一時通行止めになるなど、現道の脆弱性が浮き彫りになりました。

これらの問題を解決するため、勿来バイパスの整備が計画されました。このバイパスは、茨城県県北地域と福島県いわき市間の連携を強化し、産業、文化、観光などの面でより密接な結びつきを促進することを目的としています。また、隣接する常磐バイパスと連携することで、広域的な道路ネットワークの構築に貢献することが期待されています。

沿革

計画策定

2013年には、地域住民を対象としたアンケート調査が2度実施されました。1回目のアンケートでは、現道の渋滞や通行止めなどの問題点が指摘され、回答者の8割以上がバイパス整備の必要性を感じていることが明らかになりました。2回目のアンケートでは、現道を4車線に拡幅する案と、内陸部に新たなルートを建設する案が比較検討されました。その結果、混雑解消と津波浸水区間の回避を重視する意見が多く、内陸部に新ルートを設ける案が採用されました。このルートは、起点で県道里根神岡上線バイパス、終点で国道6号常磐バイパスに接続する計画です。

事業化

2014年2月には、社会資本整備審議会において、バイパスの新設ルート案が承認されました。その後、北茨城市と、いわき市で住民説明会が開催され、詳細なルート案の決定、都市計画決定、環境影響評価を経て、2015年度に事業が決定しました。完成は事業着手から約10年後を目標としています。

年表

2015年1月：都市計画決定
2015年4月：事業化
2017年度：用地買収着手
2019年度：工事着手
2023年2月7日：四沢交差点の車線・位置が変更

関連情報

日本のバイパス道路一覧
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東北地方の道路一覧

外部リンク

国土交通省関東地方整備局 常陸河川国道事務所
一般国道6号 勿来バイパス（国土交通省東北地方整備局 磐城国道事務所）

勿来バイパスは、地域住民の生活を支える重要なインフラとして、今後の完成が期待されています。このバイパスの開通により、交通の円滑化だけでなく、災害時における安全確保や地域経済の活性化にも大きく貢献することが期待されます。

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