化成強制収容所

化成強制収容所について

化成強制収容所、正式には第16号管理所は、北朝鮮の咸鏡北道明澗郡にあり、朝鮮民主主義人民共和国の国家保衛省第7局がその運営を担当しています。この施設は、政治犯の収容所として機能しており、しばしば悪名高い内容において言及されています。特に、耀徳強制収容所（第15号管理所）同様に、囚人の厳しい扱いや人権侵害が指摘されていますが、その性質はより過酷であると見られています。

環境と収容者数

化成強制収容所には、世襲体制に対する挑戦者やクーデターの企てを行った者たちが収容されています。推計によれば、約2万人がここに拘束されており、彼らの多くは過酷な状況に置かれています。情報は限られているものの、衛星写真による分析からは2008年から2013年にかけてこの収容所の構造が拡張され、収容人数が増えていることが確認されています。

歴史的背景

この収容所は、金正日への世襲に反対した者たちが特に多く収容されており、1976年ごろには金東奎国家副主席がこの施設に送られたとされています。彼は金正日への世襲に異議を唱えた結果、特に過酷な処遇を受けることとなりました。

労働環境

元刑務官の証言によると、化成強制収容所内での労働条件は極めて劣悪です。収容者は一日中、危険な状況下で強制的に働かされ、休息の時間をほとんど与えられないとされています。労働のノルマを達成しなければ、自己批判の時間にも参加しなければなりません。休息時間は深夜12時から朝方の4時までという信じがたいもので、致命的な労働事故も報告されています。

処刑の実態

この収容所では処刑も行われており、宗教的な理由や「逆らう者」とみなされた囚人が残酷に命を奪われる光景が存在します。例えば、ある証言では、収容者が自分の埋葬場所を掘らされ、その後に暴力的に殺されるといった事例があります。このような残酷な行為は、恐怖を通じて収容者を支配するための手段とも言われています。

核実験との関係

さらに、1987年から1994年にかけて、数千人の囚人が近くにある豊渓里の核実験場での労働に動員され、「大建設」と称する地下トンネル工事に従事させられましたが、彼らは二度と戻ることがありませんでした。このような動員は、化成強制収容所における人体の使い捨てとも受け取れる悲惨な実態を示しています。

移送事件の可能性

また、会寧市の22号管理所が閉鎖される際、一部の囚人が化成強制収容所に移送されたとの報告があります。この時期に収容所が空になっていたという情報もあり、収容者が大規模に虐殺される可能性が示唆されています。

結論

化成強制収容所は、北朝鮮の政治犯収容所の中でも特に劣悪な状況として知られています。囚人たちは過酷な労働を強いられ、生命の危険にさらされ、さらには心理的な圧迫の中で日々を送っています。このような収容所の存在は、北朝鮮における人権侵害の象徴といえるでしょう。

もう一度検索