北カレリア国

アルハンゲリスク・カレリア暫定政府とは



アルハンゲリスク・カレリア暫定政府は、1919年頃、現在のロシア連邦カレリア共和国の北部地域を中心に存在した、独立を志向する組織です。この組織は、ロシア革命後の混乱期に、カレリア地方の民族自決の動きの中で生まれました。


歴史的背景


1917年のロシア革命は、各地で独立運動を誘発しました。フィンランドもその一つで、独立を達成し、内戦を経て西カレリアの一部を領土としました。しかし、東カレリアにはロシア人だけでなく、フィン人と共通のアイデンティティを持つ人々も多く住んでおり、この地域でも独立を求める声が上がりました。

この時期、イギリスは白軍を支援するため、ムルマンスクからアルハンゲリスクにかけて軍を派遣し、この地域には白軍系の北ロシア政府が樹立されていました。イギリスはフィンランドにも協力を求め、フィンランドは独立の承認と、北海沿岸のペッツァモと東カレリアの領有権主張を条件に義勇軍を派遣しました。

暫定政府の成立と活動


フィンランド軍が東カレリアに進出すると、この地域では独立を志向する地域政府が組織され、フィンランドと同盟を結んだ共和制の独立国家の樹立を目指しました。首都は現在のロシアのカレワラ市（フィンランド語名：Uhtua）に置かれました。この政府は、カレリアの独立と民族自決を目標に活動しました。

しかし、後方に赤軍が進軍してきたため、フィンランド軍は撤退を余儀なくされました。その後もこの地域ではフィンランド軍とロシア軍の間で戦闘が続きましたが、フィンランドは継続的な影響力を行使することができませんでした。

国家の消滅とその後


アルハンゲリスク・カレリア暫定政府は、国際的な承認を得ることなく、赤軍の侵攻によって消滅しました。その後、この地域にはカレリア自治ソビエト社会主義共和国が設立され、ソビエト連邦の一部となりました。暫定政府の試みは、カレリア地方における民族自決の願望を象徴する出来事として、歴史に刻まれることになりました。

関連事項



外部リンク



この出来事は、カレリア地方における複雑な歴史的背景と、民族自決の重要性を示すものとして、今日においても注目されています。短命に終わったこの暫定政府の歴史は、その後のカレリアの歴史に大きな影響を与えました。

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