北マケドニアの世界遺産

北マケドニアの世界遺産は、その歴史と自然美を反映した貴重な資産です。マケドニア社会主義共和国時代にはユーゴスラビア社会主義連邦共和国の一員として世界遺産条約に参加していましたが、1997年4月30日、北マケドニア単独で条約を承継しました。世界遺産センターにおける初期の国名表記は「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」とされていました。

北マケドニアが現在保有する世界遺産は、以下の3件です。

自然遺産

カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林: 2007年に登録されたこの世界遺産は、2011年、2017年、2021年と登録範囲が拡大され、2021年時点で18か国が保有しています。北マケドニアも2021年からこの世界遺産を共有しています。広大なブナ林の生態系と生物多様性の保全が重要な目的です。

複合遺産

オフリド地域の自然・文化遺産: 1979年にオフリド湖の自然美を評価して自然遺産として登録され、翌1980年にはオフリド市街の建造物群を含め、複合遺産として拡大登録されました。2006年には名称変更、2009年には登録範囲の軽微な変更が行われています。2019年からはアルバニアと共有しており、両国の歴史と文化、そしてオフリド湖の自然環境の重要性を世界に示す象徴的な遺産となっています。オフリド湖は、ヨーロッパ最古の湖の一つであり、その透明度と多様な生物相が特徴です。オフリド市街は、古代から続く歴史的な街並みが残されており、多くの教会や修道院、伝統的な家々が立ち並んでいます。これらの建造物は、ビザンチン建築やオスマン建築の影響を受けており、豊かな歴史と文化を物語っています。

文化遺産

北マケドニアには、現時点では登録されている文化遺産はありません。しかし、歴史的建造物や考古学的遺跡など、文化遺産の候補となる潜在的な資産は数多く存在します。今後の調査と登録に向けた取り組みが期待されます。

暫定リスト

北マケドニアは、将来の世界遺産登録を目指して、4件の世界遺産候補を暫定リストに登録しています。これらの候補地は、北マケドニアの自然や文化を象徴する重要な場所であり、今後の登録に向けた取り組みが続けられています。詳細な情報は、ユネスコの世界遺産センターのウェブサイトなどで確認できます。

これらの世界遺産は、北マケドニアの自然と文化の豊かさを示すものであり、世界中の人々にとって貴重な財産となっています。今後の保全と活用によって、これらの遺産が将来世代へと受け継がれていくことが期待されます。

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