北上 (軽巡洋艦)

軽巡洋艦 北上（きたかみ）について

北上は大日本帝国海軍の球磨型軽巡洋艦の3番艦であり、その名は岩手県と宮城県を流れる北上川に由来しています。艦の設計と建造は1919年に始まり、1921年に竣工しました。横須賀鎮守府に所属したこの艦は、太平洋戦争前から戦争の多くの局面で活躍しました。

初期の艦歴

北上は1921年に第二艦隊第二水雷戦隊に配属され、その後旗艦を務めたこともありましたが、次第に予備艦としての役割が増えていきました。1930年代には軽巡洋艦阿武隈との衝突事故を起こし、数年後には予備艦に戻されました。1941年には、重雷装艦へ改装され、艦隊決戦の準備が整えられました。この改装では、魚雷発射管が増設され、特別な夜戦部隊の設立に関与しました。

太平洋戦争への参加

太平洋戦争が勃発した1941年、北上は真珠湾攻撃の際に連合艦隊の護衛を務め、続いて陸軍輸送任務を担うことになりました。1942年には、舞鶴鎮守府からの陸戦隊をトラックへ輸送し、続いてマニラとラバウル間の輸送作戦にも従事しました。

この艦は、戦争の状況を鑑みて重雷装艦から高速輸送艦に改装され、以降は更なる輸送任務に従事しました。特に、丙号輸送という重要な任務に参加し、北上は311名の人員や物資を輸送しました。

回天搭載艦への改装と戦後

1944年に北上は、回天の搭載母艦へと改装され、最大8基の回天を装備可能となりました。この改装により艦の兵装も大幅に変更され、戦闘能力の向上が図られました。しかし、実際の戦闘では、出撃に至ることはありませんでした。

1945年に入ると、北上は2回の空襲を受け、大きな損傷を被りました。特に7月の二回目の空襲では、航行不能に至り、32名の乗組員が戦没しました。その後、戦後、北上は復員輸送支援艦として使用され、最終的には解体される運命にありました。

歴代艦長

北上には数名の艦長が在籍し、艦の運用に尽力しました。特に坂元貞二大佐は、艦の初期運用に大きな影響を与えました。その後も様々な艦長が艦の指揮を執り、多くの海戦に携わりました。

北上の艦歴は多岐に渡り、艦そのものだけでなく、その背後にある歴史や英雄たちの物語が織りなすものでもあります。艦は沈んでも、その名を馳せた北上の歴史は今なお多くの人々の記憶に残り続けています。

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