北上・みちのく芸能まつり

北上・みちのく芸能まつりとは

「北上・みちのく芸能まつり」は、岩手県北上市で毎年8月の第1土曜日から3日間にわたり開催される、東北地方を代表する祭りの一つです。この祭りは、北上市周辺に伝わる伝統芸能を中心に、100を超える団体が市内各所で演舞を披露する、非常に活気のあるイベントです。特に鬼剣舞は祭りの象徴的な存在であり、その迫力ある舞は観客を魅了します。

祭りの見どころ

祭りのメイン会場は、JR北上駅西口周辺のおまつり広場です。ここでは、祭りの期間中、様々な芸能が披露されます。初日には市民による盆踊りパレードが行われ、祭りの幕開けを華やかに飾ります。2日目には、みこしや民俗芸能パレード、そして祭りのハイライトとも言える鬼剣舞大群舞が繰り広げられます。3日目には、トロッコ（灯籠）流しと花火大会が行われ、祭りのフィナーレを盛り上げます。

祭りの歴史

「北上・みちのく芸能まつり」の歴史は、1962年（昭和37年）に北上商業高校（現・専大北上高）の校庭で開催された「みちのく郷土芸能まつり」に遡ります。当初は地元のみの小規模な祭りでしたが、1964年（昭和39年）に北上市民会館（現在のさくらホール）に移転したことをきっかけに、県外の団体も参加するようになり、昼夜2回公演の大きな祭りへと発展しました。

1969年（昭和44年）には、開催期間を2日間に拡大し、会場を4つに増やすなど規模を拡大、また、事前PR映画を制作しマスコミで宣伝した結果、2日間で約10万人を集めるほどの人気を博しました。その後、観光客数は10万人を大きく超えるようになり、1971年（昭和46年）には「東北五大まつり」と名乗るようになりました。1974年（昭和49年）には国鉄が「東北六大祭」の一つに指定しました。1975年（昭和50年）には現在の名称である「北上・みちのく芸能まつり」となりました。

1982年（昭和57年）の東北新幹線・北上駅開業を機に、夜型の祭りに変更し、開催期間も3日間に拡大しました。1988年（昭和63年）には、初めて海外の団体を招致し、国際色豊かな祭りへと発展しました。2000年（平成12年）と2001年（平成13年）にはイベント放送局を開局し、FMで花火の実況中継を行うなど、新たな試みも行われました。

2004年（平成16年）には、新たに北上市文化交流センター さくらホールを会場の一つとし、2006年（平成18年）からは開催日程を8月第1土曜日から3日間へと固定しました。2010年（平成22年）以降は、本祭とは別に「秋の子どもみちのく芸能まつり」を11月に開催するなど、伝統芸能の継承にも力を入れています。

祭りの魅力

「北上・みちのく芸能まつり」の最大の魅力は、何と言ってもその迫力ある伝統芸能の数々です。特に鬼剣舞は、その独特な動きと力強い太鼓の音で観客を圧倒します。また、祭りの期間中は、市内全体がお祭りムードに包まれ、地元の人々の温かさに触れることができます。祭りの歴史を通じて、地域の人々が伝統芸能を守り、受け継いできた情熱を感じられます。

祭りの期間中には、多くの観光客が訪れ、屋台なども出店します。地元ならではの美味しい食べ物や飲み物を楽しむこともでき、祭りの雰囲気をさらに盛り上げます。北上市の夏の風物詩として、毎年多くの人々が楽しみにしている祭りです。この祭りは、伝統芸能の魅力を広く伝え、地域の活性化にも大きく貢献しています。

まとめ

北上・みちのく芸能まつりは、東北地方の伝統芸能が一堂に会する、見どころ満載の祭りです。鬼剣舞をはじめとする迫力ある演舞や、地域の人々の温かいおもてなしをぜひ体験してみてください。この祭りは、単なるイベントではなく、地域の歴史と文化が息づく、かけがえのない時間を提供してくれます。

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