北倉強制収容所

北倉強制収容所の概要

北倉強制収容所、別名社会安全部2918軍部隊または18号管理所は、北朝鮮の平安南道北倉郡に存在していた施設です。この強制収容所は、朝鮮戦争の浮き彫りになる歴史的背景を持つ場所であり、大同江を挟んで対面する位置には14号管理所のある价川市があります。1958年に設立されたこの管理所は、北朝鮮における最初の強制収容所システムに基づいており、一般警察である人民保安省の管理下にありました。

収容と罪状

第18号管理所に収容されるのは、主に地主や資本家、さらには韓国軍と関係のあった人々の出身成分によるもので、彼らの家族も同様に収容されるという特徴があります。2000年代には人身売買に関与した者や韓国との関係がある人々が小規模に収容されることもあったとされています。また、价川の14号管理所で政治犯として扱われた者の家族も、この北倉強制収容所に収容されることがあったと報告されています。

金恵淑の証言によると、彼女は13歳から41歳までの28年間、祖父が韓国に渡航したという理由でこの収容所に入れられたといいます。彼女は収容者が「犬以下の扱い」を受け、厳しい強制労働と看守の虐待に苦しんでいたことを明かしています。また、金龍は14号管理所に収容された後、18号に移送されたことを証言し、申東赫も異なる経緯で収容されたのち最終的には18号管理所に移ったと修正しています。

収容者の生活状況

この収容所では、収容者を「移住民」と呼び、特に収監から解除された者でも引き続き収容所内に生活することが多いため、「解除民」という呼称も存在します。このように、北倉強制収容所内には小規模ではありますが、革命化区域と解除された者の居住区域が存在するとの報告があります。しかし、実態としては革命化地域と完全統制地域の区分が曖昧であり、移住民はすべて革命化の対象として扱われていることが多いようです。

解除民の出入りは原則自由とされますが、実際にはそれに伴う制約が厳しいため、自由な生活が保障されているわけではありません。2003年には約5万人がこの収容所にいたとされ、過酷な強制労働や食糧不足により栄養失調や病気、労働事故による死亡者も少なくありませんでした。

終焉への道

北倉強制収容所は、過去数回にわたって大規模な解除措置が取られ、収容所の縮小が進められました。最終的に2006年には最後の地区が解除されたと見られ、その後一部の収容者は价川の14号管理所またはその周辺に移送されたとされています。強制収容所という厳しい環境下での生と死を経験した人々の声は、今も多くの人々に衝撃を与えています。

北倉強制収容所のような施設の存在は、国際的な人権問題として注目を集める一方で、実際にそこで何が起こっていたのかを知ることは、今後の北朝鮮の人権状況を考える上で重要な意義を持つのです。

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