北出清五郎

北出清五郎（きたで せいごろう）

1922年12月5日、東京都に生まれた北出清五郎は、日本の元NHKアナウンサーです。中央大学を卒業後、1947年にNHKに入局し、1980年に退職するまで、数々のスポーツ中継でその名を馳せました。2003年1月19日、心不全のため80歳で生涯を閉じました。

アナウンサーとしての経歴

北出清五郎は、NHK入局後、大相撲、オリンピック、箱根駅伝など、様々なスポーツ中継を担当しました。

特に大相撲中継では、1953年のテレビ放送開始当初から担当し、「相撲の北出」として広く知られました。彼の正確な描写と徹底した取材に基づいたデータは、テレビアナウンスの基礎を確立したと評価されています。定年退職後も、アナウンス顧問や解説者として長年にわたり出演し、その知識と経験を後進に伝えました。

また、昭和30年代には、NHK総合で中継された有馬記念のレース実況を担当し、その実況技術の高さを証明しました。箱根駅伝では、NHKラジオ第1の中継で28回もの実況を担当し、駅伝ファンからも高い評価を得ました。

オリンピック中継では、NHKのエースアナウンサーとして数々の大会を担当しました。1964年の東京オリンピック開会式では、「世界中の秋晴れを、全部東京に持ってきたような素晴らしい秋日和であります」という名実況を残し、1972年の札幌オリンピックのスキージャンプでは、「さあ笠谷、金メダルへのジャンプ－飛んだ！決まった！」という実況で、多くの人々の記憶に残る名場面を彩りました。

紅白歌合戦では、第4回（1953年）、第18回（1967年）、第21回（1970年）で司会を務め、その幅広い才能を発揮しました。

人物

北出清五郎は、正確な描写と徹底した取材に基づいたデータに基づいた実況をすることで知られていました。彼の緻密な準備と卓越したアナウンス技術は、多くの人々に感動を与えました。また、温厚な人柄で、多くの人に愛されました。

死後

没後の2019年12月15日に放送された大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の1964年東京オリンピック開会式のシーンでは、俳優の政岡泰志が北出清五郎を演じましたが、実況の音声は北出清五郎本人のものが使用され、その偉大な功績を称えました。

著書

北出清五郎は、アナウンサーとしての経験を生かし、多数の著書を出版しました。主な著書には以下のものがあります。

『栄光のドキュメント : 私の見たオリンピック』 日本放送出版協会、1976年
『大相撲への招待』 廣済堂出版、1977年
『大相撲との日々 相撲アナ一代』 日刊スポーツ新聞社、1980年
『話のふれ太鼓』廣済堂出版、1981年
「北出アナのすもう雑学」（グラフ社、1983年）
「ものしり雑学 大相撲」（三笠書房知的生きかた文庫、1992年）
『相撲部屋おかみさん太閤記』 文化出版局、1983年
『人生負けても勝っても - 高見山大五郎物語』 小学館、1984年
* 『大相撲を支えた人たち』 ベースボール・マガジン社、1985年

これらの著書は、彼の豊富な経験と知識を伝える貴重な資料となっています。

北出清五郎は、その卓越したアナウンス技術とスポーツへの情熱で、多くの人々に感動を与えた偉大なアナウンサーでした。彼の功績は、これからも語り継がれていくでしょう。

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