北名古屋市図書館

北名古屋市図書館の歴史

北名古屋市図書館は、愛知県北名古屋市にかつて存在した公共図書館の総称です。旧師勝町図書館を前身とする北名古屋市東図書館と、旧西春町図書館を前身とする北名古屋市西図書館の2館で構成されていましたが、2021年9月30日に西図書館が閉館し、東図書館に統合されました。ここでは、それぞれの図書館の歴史と統合の経緯を詳しく見ていきましょう。

師勝町図書館（1990年 - 2006年）

1987年、師勝町は図書館建設に向けた調査委員会を発足させ、1990年1月26日に師勝町図書館が竣工しました。総事業費は13億6000万円でした。同年3月29日に開館式が行われ、4月1日に師勝町歴史民俗資料館と共に開館しました。

特徴

建物中央部は3階までの吹き抜け構造で、壁面には「太陽と緑」をテーマとした壁画が描かれています。
地下1階は駐車場、1階は一般書架や視聴覚コーナー、2階は学習室や会議室、ビデオ編集室、3階は歴史民俗資料館となっていました。
1992年には愛知県の快適空間賞を受賞しています。
開館当初からCDや漫画本の貸出も開始し、多くの利用者に親しまれていました。
1994年には入館者数が100万人を突破し、2004年度には住民一人当たりの貸出冊数が10冊を超えるなど、地域住民に広く利用されていました。

西春町図書館（1992年 - 2006年）

西春町では、1989年に複合文化施設の建設を盛り込んだ総合計画を策定し、1992年7月5日に西春町図書館を含む西春町勤労文化会館が開館しました。当初は星や宇宙に関する書籍を軸にした「星の図書館」構想もありました。

特徴

図書館は複合施設の3階に位置し、天井の一角がガラス張りで、夜には星を眺めることができました。
開館当初からコンピュータを導入し、効率的な窓口業務を行っていました。
1994年には漫画本の貸出を開始し、西春駅にブックポストを設置するなど、利便性向上に努めました。
2003年にはインターネットによる蔵書検索サービスを開始し、ブックスタート事業も導入しました。

北名古屋市図書館（2006年 - 2021年）

2006年3月20日に師勝町と西春町が合併し北名古屋市が誕生。それに伴い、師勝町図書館は北名古屋市東図書館、西春町図書館は北名古屋市西図書館に改称しました。合併当初は2館合わせて西尾張地方で3番目に多い蔵書数を誇っていました。

図書館統合

北名古屋市では、財政運営の観点から公共施設の廃止や統合を進めており、2021年9月30日をもって西図書館が廃止され、東図書館に統合されました。これにより、北名古屋市の図書館は東図書館の1館体制となりました。

東図書館の特徴

2007年には開館時間を変更し、平日19時まで、土日祝日17時まで開館。
2009年には両館のシステムを統合し、共通の利用者カードやウェブサイトからの予約が可能になりました。
2011年には雑誌スポンサー制度を導入し、2012年には名古屋芸術大学附属図書館との相互利用協定を結ぶなど、地域住民の利便性向上に取り組んでいます。



北名古屋市図書館は、地域の文化振興と住民の学習活動を支える重要な施設として、長年にわたり多くの人々に利用されてきました。その歴史と変遷は、地域の発展とともに歩んできたことを物語っています。

もう一度検索