北大東港

北大東港は、沖縄県島尻郡北大東村に位置する地方港湾であり、沖縄県によって管理されています。この港は、北大東島の沿岸部に位置しており、北岸の北地区、西岸の西地区、南岸の江崎地区という3つの港区で構成されています。それぞれの地区が独立した港湾としての機能を持ちつつ、全体として北大東港という一つの港を形成しています。

1972年5月15日の沖縄返還に伴い、北港、西港、江崎港としてそれぞれ地方港湾に指定されました。その後、2000年4月1日にこれら3つの港が統合され、現在の北大東港となりました。この統合により、港湾としての機能が強化され、より効率的な運営が可能になりました。

通常、西地区が主に使用されています。北地区と江崎地区は、西地区が荒天で使用できない場合などの代替として利用されることがあります。これは、北大東島の地理的な特性と、各地区の港湾施設の配置によって決定されています。

1950年代までは、北大東島で採掘されたリン鉱石を積み出すための港として重要な役割を果たしていました。西地区には、当時使用されていた鉱石貯蔵庫と軌道の跡が今も残っており、その歴史を物語っています。

北大東港の各港区は、いずれも外洋に面しており、急峻な地形のため防波堤などの外郭施設を設けることが困難です。そのため、船舶は岸壁から離れた位置に係船ブイで係留され、クレーンを用いて荷役作業が行われます。また、旅客の乗降にも専用のコンテナが使用されるという、独特な方式が採用されています。

2015年度のデータによると、北大東港の発着数は155隻で、総トン数は102,131トンでした。また、利用客数は1,306人で、内訳は乗船が836人、下船が470人となっています。

北大東港への航路は、那覇港（泊埠頭・新港埠頭）と北大東港、そして南大東港を結ぶものが主です。大東海運の貨客船「だいとう」が、年間約70往復運航しています。危険物を搭載した便は、那覇港の新港埠頭を発着します。

各港区の港湾施設は以下の通りです。

北地区

• -5.5m岸壁（1バース）

係船ブイ

西地区

• -5.5m岸壁（2バース）

係船ブイ

江崎地区

• -5.5m岸壁（2バース）

係船ブイ

これらの施設は、北大東港の物流と旅客輸送を支える重要なインフラとなっています。

北大東港は、その地理的条件や歴史的な背景から、独特な運営方式が採用されています。今後も、北大東島の重要な物流拠点として、その役割を果たしていくことが期待されます。

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