北大遺跡保存庭園

北大遺跡保存庭園は、北海道大学札幌キャンパス内に存在する遺跡保存空間です。広大なキャンパスの大部分はK39遺跡（北海道大学構内遺跡）として位置づけられ、構内には多くの埋蔵文化財が眠っています。その中でも、遺跡保存庭園は「さっぽろ・ふるさと文化百選」や「北区歴史と文化の八十八選」にも選ばれており、地域の歴史と文化を伝える重要な場所となっています。

遺跡の保存と現状

この庭園の主な目的は、遺跡の現状を保存することにあります。そのため、復元された建物などは存在せず、地面のわずかな窪みとして竪穴建物跡を確認できるのみです。夏になると草が生い茂り、その窪みを見つけることさえ困難になるほど、自然に溶け込んでいます。

遺跡の歴史

かつて、サクシュコトニ川沿いには数多くの建物跡があり、明治時代にはその存在が明確に確認できました。しかし、年月とともに埋没し、現在では園内に約30棟の竪穴建物跡がわずかに残るのみとなっています。1952年に行われた調査によって古代の集落であることが判明し、1980年以降の継続的な埋蔵文化財調査では、本州の歴史に照らし合わせると奈良時代末期から平安時代にかけての遺物が出土しています。

アイヌ文化との関連

庭園の解説板からは、この地に居住していた古代人とアイヌとの関連性を見出すことはできません。しかし、1991年にはアイヌの有志によってヌササン（祭壇）が再現され、シンヌラッパ（先祖供養）が行われました。そのことを説明する看板も設置されましたが、後に何者かによって破壊されています。この件に関して、研究者の小野有五は、遺跡がアイヌ文化以前の擦文時代のものだからといって、居住者がアイヌの先祖ではないとする考え方に異議を唱えています。

所在地とアクセス

庭園は、キャンパス内の野球場の裏手、ホッケー場と環状通エルムトンネルの間に位置しています。庭園と陸上競技練習場の間には、サクシュコトニ川が細く流れています。

アクセス

* 札幌市営地下鉄南北線「北18条駅」下車、徒歩約16分

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