北尾トロ

北尾トロ：多才なフリーライターの軌跡

北尾トロ（本名：伊藤秀樹）は、1958年1月23日、福岡県福岡市に生まれました。フリーライター、個人事務所（株）ランブリン代表、『季刊レポ』編集長という肩書きを持ち、その活動は多岐にわたります。裁判傍聴をライフワークとし、そこから得た知見を基に多数の著作を執筆する傍ら、サブカルチャー、ゲイ、裏稼業、グルメなど、幅広いテーマで記事を執筆しています。

生い立ちとキャリア

父親の転勤に伴い、中学時代には兵庫県尼崎市へ、高校時代には東京都立川市へと転居。東京都立日野高等学校、法政大学社会学部を卒業後、フリーターや編集プロダクションでのアルバイトを経て、フリーライターとしてのキャリアをスタートさせました。30代初めには、ライターの下関マグロらと「脳天気商会」という会社やバンドを運営していた時期もあります。30歳頃から現在のペンネームを使用し、『別冊宝島』や『裏モノの本』といった雑誌で執筆活動を開始しました。

裁判傍聴と著作活動

北尾トロの代表作の一つに、『裏モノJAPAN』での裁判傍聴連載記事があります。これは単行本化、漫画化、映画化、ドラマ化されるなど、大きな反響を呼びました。裁判傍聴をテーマにした著作は数多く、『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』をはじめとする作品は、ユーモラスかつ社会に対する鋭い視点を含んだ内容で、多くの読者を魅了しています。

多様な活動と関心

1999年には、オンライン古書店「杉並北尾堂」を開設。また、「本の町」構想を抱き、2008年には長野県高遠町で「本の町プロジェクト」を展開しました。さらに、2004年頃には西荻窪でタウン誌「西荻丼」を立ち上げるなど、地域に根ざした活動も行っています。

2010年には、自らが責任編集を務めるノンフィクション雑誌『季刊レポ』を創刊しましたが、2015年に20号をもって終刊しました。2012年には長野県松本市に移住し、第2種銃猟免許を取得。空気銃による猟も始めました。2020年からは埼玉県在住です。

サブカルチャーとライフスタイル

北尾トロの著作や記事は、サブカルチャー、ゲイ、裏稼業、裁判傍聴といったテーマに加え、グルメやユニークなライフスタイルに焦点を当てたものが多いのが特徴です。その軽妙な文体と独自の視点は、多くの読者から支持されています。

主な著作

『彼女たちの愛し方』（1997年、中川カンゴローと共著）
『怪しい人びと』（1998年、のちに『怪しいお仕事!』として文庫化）
『キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか』（2000年）
『ぼくはオンライン古本屋のおやじさん』（2000年）
『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』（2003年）
『ヘンな本あります ぼくはオンライン古本屋のおやじさん 2』（2003年）
『気分はもう、裁判長』（2005年）
『裁判長!これで執行猶予は甘くないすか』（2007年）
『ぶらぶらヂンヂン古書の旅』（2007年）
『おっさん傍聴にいく!』（2007年、下関マグロと共著）
『おっさん糖尿になる!』（2007年、下関マグロと共著）
『もいちど修学旅行をしてみたいと思ったのだ』（2008年）
『中央線で猫とぼく』（2008年、のちに『にゃんくるないさー』に改題）
『男の隠れ家を持ってみた』（2008年）
『ほんわか! 本についてわからないこと、ねほりはほり!』（2008年）
『裁判長!おもいっきり悩んでもいいすか 裁判員制度想定問題集』（2009年）
『ぼくに死刑と言えるのか もし裁判員に選ばれたら』（2009年）
『全力でスローボールを投げる』（2010年）
『駅長さん！これ以上先には行けないんすか』（2011年）
『昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』（2011年、下関マグロと共著）
『愛の山田うどん 廻ってくれ、俺の頭上で!!』（2012年、えのきどいちろうと共著）
『愛と情熱の山田うどん　まったく天下をねらわない地方豪族チェーンの研究』(2022年)
『傍聴弁護人から異議あり!』（2013年）
『ニッポン超越マニア大全』（2014年）
『猟師になりたい!』（2014年）
『夕陽に赤い町中華』
『僕が20年ぶりに人ん家に泊まってわかったこと 東京民泊エッセイ』（2020年）
『犬と歩けばワンダフル 密着!猟犬猟師の春夏秋冬』（2021年）
『人生上等! 未来なら変えられる』（2023年）
『ツキノワグマの掌を食べたい! 猟師飯から本格フレンチまで ジビエ探食記』（2024年）

雑誌連載とメディア出演

『月刊ラジオライフ』では、『超越大陸』、『マニアッ区紳士録』、『ヘンケン発掘ラボ』といった連載記事を担当しました。また、TBSラジオの『たまむすび』には、不定期でゲスト出演し、自身の関心事について語っています。裁判員制度、一票の格差などの社会問題についても積極的に意見を表明しています。2023年には、書籍の書評も手がけるなど、その活動は多岐に渡ります。

まとめ

北尾トロは、裁判傍聴、サブカルチャー、グルメ、ユニークな人物などをテーマに、独自の視点で社会や文化を捉えるフリーライターです。その著作や活動は、多くの読者に刺激と楽しみを提供し続けています。

もう一度検索