高遠町

高遠町（たかとおまち）とは

高遠町は、かつて長野県の中部、上伊那郡に属していた町です。高遠藩の城下町として栄え、その歴史は江戸時代にまで遡ります。2006年3月31日、旧伊那市、長谷村と合併し、新たに伊那市の一部となりました。合併後も、旧高遠町域には地域自治区が設置され、その地域としてのまとまりは保たれていました。

地理

高遠町は、中央構造線が通る、南アルプスと伊那山地に挟まれた山間の地に位置しています。この地形が、豊かな自然と独特の景観を生み出しています。

山

入笠山
守屋山
月蔵山

河川

三峰川

湖沼

高遠湖（高遠ダム湖）
美和湖（美和ダム湖）
千代田湖

隣接していた自治体

伊那市
諏訪市
茅野市
上伊那郡：箕輪町、長谷村
諏訪郡：富士見町

歴史

高遠町は、江戸時代には高遠藩の城下町として繁栄しました。特に、高遠石工と呼ばれる石工職人たちは、全国各地で仏像や建築物の石製品を手がけ、その技術は高く評価されました。

近代の歴史

1875年（明治8年）1月23日：高遠城下東部の武家町と地方の板町村が合併し、東高遠町が誕生。高遠城下西部の町方と地方の鉾持村が合併し、西高遠町が誕生。
1889年（明治22年）4月1日：町村制の施行により、西高遠町と東高遠町の区域をもって高遠町が発足。当時は上伊那郡で唯一の町でした。
1956年（昭和31年）9月30日：長藤村、三義村と合併し、改めて高遠町が発足。
1958年（昭和33年）4月1日：藤沢村を編入。
1964年（昭和39年）4月1日：河南村を編入。
2006年（平成18年）3月31日：伊那市、長谷村と合併し、高遠町は廃止。

町役場

高遠町役場は、1966年（昭和41年）に建設された鉄筋コンクリート造りの建物でした。合併後は伊那市高遠町総合支所として使用されましたが、老朽化のため2018年に仮移転し、旧庁舎は解体されました。新庁舎は2025年3月に完成予定です。

文化

町歌

高遠町には、町制100周年を記念して制定された『高遠町町歌』があります。馬島律司作詞、松井芒人補作、中田喜直作曲で、町民に親しまれていました。

在来種そば

高遠町は、在来種のそばの産地としても知られています。

教育

長野県高遠高等学校

施設

高遠町図書館
高遠町民俗資料館（・旧馬場家・旧池上家）
高遠町歴史博物館・絵島囲み屋敷
信州高遠美術館

交通

一般国道

国道152号（高遠を境に、北が杖突街道、南が秋葉街道）
国道361号（権兵衛街道）

都道府県道

長野県道209号沢渡高遠線
長野県道211号芝平高遠線

名所・旧跡・観光

高遠城址公園（国の史跡）：桜の名所として知られ、春には多くの観光客が訪れます。
進徳館
高遠町歴史博物館
信州高遠美術館
高遠しんわの丘ローズガーデン：6～10月営業
杖突峠
蓮華寺
遠照寺
満光寺：伊那善光寺、信州の科寺とも呼ばれています。
建福寺
高遠温泉

名物

高遠そば：大根おろしつゆで食べるのが特徴の蕎麦。
高遠焼：伝統的な陶器。
高遠饅頭：高遠城址公園などで売られる伝統の饅頭。

出身者

高遠町は、多くの著名な人物を輩出しています。

秋山理敏（駐パナマ特命全権公使）
青山善充（法学者）
伊沢修二（教育者、東京音楽学校（現東京藝術大学）初代校長）
伊沢多喜男（東京市長）
池上秀畝（日本画家）
伊東月草（俳人）
伊藤公介（衆議院議員）
大森陽一（特許技監）
大和岩雄（大和書房・青春出版社創業者）
春日千春（テレビプロデューサー）
春日豊（歴史学者）
北原文雄（化学者）
北原巌男（外交官）
北原覚雄（農芸化学者）
北原安定（元電電公社副総裁）
北原由夫（歌人）
坂本天山（砲術家）
島村利正（小説家）
高橋白山（漢学者、教育者）
豊島恕平（医師・実業家・政治家）
中村弥六（政治家）
西村竜馬（サッカー選手）
横山正彦（経済学者）

関連情報

高遠駅：ジェイアールバス関東伊那支店のバスターミナル
高遠テレビ・FM中継局
高遠電気軌道（かつてあった鉄道会社）
高遠電灯（かつてあった電力会社）
高遠合戦
高遠城の戦い
江島生島事件：事件後、絵島は高遠に流刑となりました。
ナナちゃん人形：高遠製函製
『高遠 さくら路』：水森かおりのシングル曲

外部リンク

伊那市公式ホームページ
高遠さくら祭り - 伊那市観光協会
高遠ぶらり
歴史の町 信州高遠「高遠囃子伝承」
長野県「伊那市・高遠町・長谷村合併協議会」

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