北山清太郎

北山清太郎：日本初のアニメーション作家

北山清太郎（きたやま せいたろう、1888年3月3日 - 1945年2月13日）は、日本のアニメーションの先駆者とされ、多くの画家やアニメ制作に関わった重要な人物です。彼は和歌山県に生まれ、若い頃から美術の道に進みました。彼の名は、下川凹天や幸内純一とともに「日本初のアニメーション作家」としても知られています。

人物と来歴

清太郎は和歌山県和歌山区に生まれ、長男がいない次男として成長しました。父は清兵衛、母はかつ乃です。1903年に父が亡くなり、家督を相続しました。その後、1907年に大下藤次郎が設立した日本水彩画会に入会し、美術活動を開始します。1911年には大阪で水彩画会の支部を設立しました。やがて東京に移り、日本洋画協会を設立し、自らの雑誌『現代の洋画』を発刊します。

アニメーションへの道は1916年に有楽座での上映会「凸坊会」で特集されたアニメーションに興味を持ったことから始まりました。経済的な事情もあり、友人の紹介を受けて1917年に日活向島撮影所へ入社し、日本初の漫画映画づくりに取り組むことになります。この時、彼は自宅で作画し、日活で撮影を行う体制を整えました。最初の作品『猿と蟹』は同年5月に公開され、大きな反響を呼びました。

北山はこの後、短篇のアニメーション映画を数多く制作し、チーム体制での製作を行います。スタッフには戸田早苗や嶺田弘、石川隆弘らが参加し、成果を上げていきました。しかし、1921年に日活を退社し、北山映画製作所を立ち上げることになります。この新しいプロダクションでは教育映画にも力を入れ、牧野省三と協力して作品を発表しました。

闘いと最晩年

しかし、1923年の関東大震災によって北山映画製作所は壊滅的な被害を受け、彼は大阪へ移住します。その後の彼の作品は多くが失われたものの、アニメーションに対する情熱は衰えることはありませんでした。1945年、清太郎は脳腫瘍により56歳でこの世を去ります。彼の墓所は和歌山市の真光寺にあります。

フィルモグラフィ

清太郎の作品として、特に有名なものに次の作品が挙げられます。

• - 『猿と蟹』: 1917年に公開された日本初の漫画映画。冷酷な猿と蟹の戦いを描いた作品で、今も多くのファンに親しまれています。
• - 他の作品: 『夢の自動車』、『猫と鼠』、『いたずらポスト』など、数多くの短篇作品が制作されました。

特に、映画製作所の集団としての特徴が色濃く出た作品群が多くあります。

教育的意義

北山清太郎はアートの領域で活動しつつ、教育的な側面も大切にした映画製作を行なっていました。彼が設立した北山映画製作所は、教育映画製作においても重要な役割を果たし、後のアニメーション業界に多大な影響を与えたことが評価されています。

また、彼が残した文献として『線映画の作り方』や『映画教育の基礎知識』などがあり、アニメーション教育の基礎を築いたことでも知られています。

最後の発見と評価

近年、彼の作品は再評価されており、2024年には新たに制作された教育アニメ映画『口腔衛生』に彼の名が見つかるなど、これからもその影響は続いていくことでしょう。北山清太郎の業績は、日本アニメーションの基礎を築いた先駆者として、今後もその功績が受け継がれていくことは間違いありません。

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