北山田駅 (大分県)

北山田駅：玖珠町の歴史と自然を繋ぐ駅

大分県玖珠郡玖珠町戸畑に位置する北山田駅は、九州旅客鉄道（JR九州）久大本線沿線にある駅です。1932年（昭和7年）9月16日、国有鉄道の駅として開業しました。開業当初から地域の重要な交通拠点として機能し、多くの利用客で賑わっていました。

1971年（昭和46年）2月20日には貨物取扱いを廃止、業務委託駅となりました。その後、1984年（昭和59年）1月20日には荷物扱いも廃止され、無人駅となりました。駅舎は玖珠町に払い下げられ、1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化に伴い、JR九州の駅となりました。

1992年（平成4年）4月14日には玖珠町による駅舎改築が行われ、改修費用は2500万円に上りました。しかし、時代の流れとともに利用客数は減少。2014年3月末には駅舎内の売店と物産館が撤退しました。

玖珠町は駅舎の維持管理を続け、2014年7月には地元住民組織である「北山田地区コミュニティ運営協議会」に管理を委託しました。協議会は駅舎の内装リニューアルに着手し、2015年6月に工事を完了させました。

改修された駅舎は、1階に地元の風景や鉄道の写真、北山田中学校の作品などを展示するギャラリー、2階に地域住民のためのコミュニティスペースとして生まれ変わりました。2階からは三日月の滝を一望できる絶景も楽しめます。

北山田駅の構造は単式ホーム1面1線です。かつては相対式ホーム2面2線の構造でしたが、利用状況の変化に伴い現在の構造に変更されました。ログハウス風の木造二階建ての駅舎は、延床面積142㎡を誇ります。

利用状況を見ると、1965年（昭和40年）度は乗車人員232,865人、降車人員237,631人という盛況ぶりでした。手荷物や小荷物の取扱いも行われ、地域の生活に深く根ざした駅であったことがわかります。しかし、2015年（平成27年）度の乗車人員は14,884人に減少しました。これは時代の変化による人口減少や自動車の普及など、様々な要因が考えられます。

それでも、北山田駅は地域住民の努力によって、現在も地域の重要な拠点として機能しています。駅周辺には北山田郵便局、徒歩約10分の距離に玖珠川に位置するミニナイアガラと呼ばれる三日月の滝、玖珠町立北山田小学校、玖珠町立北山田中学校などがあります。

北山田駅は、単なる交通手段としての役割を超え、地域の文化や歴史、自然を繋ぐ重要な拠点となっています。久大本線においては、杉河内駅と豊後森駅の間に位置しています。今後も、地域住民の協調性と努力によって、その役割は維持されていくことでしょう。

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