豊後森駅

豊後森駅：玖珠町の中心駅と、歴史を刻む機関区

大分県玖珠郡玖珠町帆足にあるJR九州久大本線豊後森駅は、玖珠町の中心駅として、地域住民や観光客にとって重要な拠点となっています。久大本線の重要な駅であり、かつては宮原線（1984年廃止）の発着駅でもありました。

歴史と変遷

豊後森駅は、1929年（昭和4年）12月15日、大湯線の豊後中村駅から当駅間が開通した際に開業しました。1934年（昭和9年）には、豊後森機関区が設置され、地域の鉄道発展に大きく貢献しました。その後、1984年（昭和59年）2月1日に貨物と荷物の取扱いが廃止され、同年5月2日には駅舎が改装され、特徴的な三角屋根が追加されました。国鉄分割民営化後の1987年（昭和62年）4月1日には、JR九州の駅となりました。近年では、2014年（平成26年）10月にバス乗り場の統合、そして2023年（令和5年）10月1日にはJR九州サービスサポートからの直営駅への移行など、変化を遂げてきました。

駅舎と構造

駅舎は三角屋根の木造建築で、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の、計2面3線の地上駅です。ホーム間は跨線橋で連絡しており、駅舎内にはJR九州の直営きっぷうりばが設置されています。2013年には、観光開発の一環として、豪華寝台列車『ななつ星 in 九州』の運行開始に合わせて、水戸岡鋭治氏によるデザインで駅舎の改修が行われ、茶色に塗装されました。この改修により、駅はより魅力的な空間へと生まれ変わりました。

利用状況と周辺環境

豊後森駅の利用状況は、開業当初から現在まで大きく変化しています。1965年（昭和40年）度の乗車人員は98万人を超え、手荷物や小荷物の取扱いも行われていました。しかし、近年は減少傾向にあり、2015年（平成27年）度の乗車人員は12万人を少し超える程度となっています。

駅周辺は玖珠町の中心地であり、久大本線と並行する大分県道678号書曲野田線沿いや、大分県道43号玖珠山国線沿いに商店街が形成されています。また、玖珠川を挟んだ対岸の塚脇地区には国道210号が通り、商店街や郊外型量販店、警察署、新聞社支局などが立地しています。

バス路線と交通の要衝

豊後森駅は、バス路線の拠点でもあります。日田バス、玖珠観光バス、玖珠町まちなか循環バスなど、複数の路線が駅前に乗り入れています。これらの路線は、周辺地域や近隣の町へのアクセスを提供しており、豊後森駅は、鉄道とバスの連携による交通の要衝としての役割を担っています。かつてはバス乗り場が分散していましたが、2014年10月からは統合され、利便性が向上しました。

豊後森機関区とミュージアム

豊後森駅には、かつて豊後森機関区が併設されていました。1934年（昭和9年）に久大線の全線開通と同時に開設され、梅小路蒸気機関車館と同規模とされるほどの大規模な機関区でした。ディーゼル化に伴い1970年（昭和45年）に廃止されましたが、扇形機関庫と転車台は残され、2009年（平成21年）には近代化産業遺産に認定、2012年（平成24年）には国の登録有形文化財に登録されました。2015年には、9600形蒸気機関車が移設され、「豊後森機関庫ミュージアム」が開設されました。このミュージアムは、地域の産業遺産を後世に伝える貴重な存在となっています。

隣の駅

豊後森駅の隣駅は、久大本線で北山田駅と恵良駅です。特急列車「ゆふ」「ゆふいんの森」も停車します。

豊後森駅は、歴史と自然、そして現代の交通網が融合した、魅力的な駅です。玖珠町を訪れる際には、ぜひ訪れてみてください。

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