北岡神社

北岡神社について

北岡神社（きたおかじんじゃ）は、熊本県熊本市西区春日1丁目に位置する重要な歴史を持つ神社です。平安時代、京都の祇園社から分霊を勧請して創建されたとされており、熊本市においては藤崎八旛宮と共に由緒ある古社として知られています。以前の社格は県社であり、地域住民からの信仰も厚いです。

歴史的背景

社伝によると、934年に藤原保昌が肥後守として下向した際、京都の祇園社から分霊を受け入れ、熊本の地における守護神としての役割を果たすために勧請されたことが始まりとされています。ただし、藤原保昌が誕生するのは958年なので、厳密に言えばその時期を特定するのは難しいとも言われています。

神社は最初、祇園宮と呼ばれ、937年には現在の二本木2丁目に遷座した後、979年には朝日山へと移されました。当初の名は「祇園山」とされていましたが、明治時代に入ると「花岡山」に改められました。創建当初から「宝祚無窮、天下泰平を祈願する社」として、信仰を集めてきました。1154年には近衛天皇から「顕神院」の勅額が賜り、「日本第弐 西九壱社」としての尊称も受けました。

戦国時代の混乱を経て、かつては衰退の道を辿りましたが、後に加藤清正によって復興され、1647年には熊本藩主の細川家によって現在の北岡の地に遷座されました。ここでも藩主たちの厚い信仰を受け続け、1868年に「北岡宮」へと改名、その後の1872年には「北岡神社」として現在の名称となりました。神社は1873年に県社に列格し、1877年の西南戦争の際には薩摩軍の本営が一時的に境内に設けられたことでも知られています。

祭神と例大祭

北岡神社に祀られている祭神は、健速須盞嗚尊や奇稲田姫命をはじめとする八柱御子神（天忍穂耳命、天穂日命、天津日子根命など）です。これらの神々は古来より地域住民に広く信仰されています。

毎年行われる例大祭は、8月1日から3日にかけて行われ、多くの参拝者が訪れます。

境内社や御神木

境内にはいくつかの境内社もあり、特に疫神社には蘇民御霊が祀られています。また、京国司神社と清原神社にはそれぞれ藤原保昌と清原元輔が祭神として奉られています。さらに、御神木として知られる厄除けの夫婦楠があり、樹齢約1000年とも伝えられています。この楠は、厄除けや開運、夫婦円満、縁結びのご利益があるとされています。

アクセス

北岡神社へは、熊本空港から車で約40分、熊本城からは約10分、JR熊本駅からは車で約2分または徒歩で約4分の距離です。熊本市電のA系統では祇園橋電停から徒歩約4分、複数のバス路線も「北岡神社前」バス停からアクセス可能です。

このように、北岡神社は歴史と信仰が息づく場所で、多くの人々に親しまれています。

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