北島貴孝

北島貴孝：出雲大社を支えた神職・政治家の生涯

北島貴孝（1884年7月10日 - 1956年8月20日）は、大正から昭和前期にかけて、神職、政治家、そして華族として多岐にわたる分野で活躍しました。彼は出雲大社北島国造家の第77代当主であり、貴族院男爵議員としてもその名を知られています。

生い立ちと家督相続

北島貴孝は、島根県簸川郡（現在の出雲市大社町）で、北島国造家76代当主・北島斉孝の長男として生を受けました。学習院高等科を卒業後、東京帝国大学文科大学史学科を修了し、学問においても優れた才能を発揮しました。1918年（大正7年）12月20日、父の死去に伴い、男爵を襲爵し、華族としての地位を確立しました。

神職としての活動

1918年、父の死去後、北島貴孝は神道出雲教会の大教主に就任し、宗教界での指導的な役割を担いました。1952年（昭和27年）には、神道大教から離れ、新たに宗教法人出雲教を設立し、初代国造に就任しました。また、1948年（昭和23年）から1953年（昭和28年）までの間、出雲大社の御造営御用掛を務め、神社の復興と発展に尽力しました。

政治家としての活動

1925年（大正14年）7月10日、北島貴孝は貴族院男爵議員に選出され、公正会に所属して政治活動を展開しました。彼は、1947年（昭和22年）5月2日の貴族院廃止までその職に在任し、日本の政治に貢献しました。

親族

北島貴孝の家族構成は以下の通りです。

父：北島斉孝
母：北島延子（清閑寺盛房長女）
先妻：北島幸子（菊亭脩季次女）
後妻：北島真佐子（武田堤長女）
長男：北島英孝
長女：赤松寿美子（赤松幹男夫人）

まとめ

北島貴孝は、神職、政治家、華族として、激動の時代を生きました。出雲大社の発展に尽力する一方で、貴族院議員として日本の政治にも参加し、多岐にわたる分野でその才能を発揮しました。彼の生涯は、日本の近代史における重要な一ページとして、記憶されるべきでしょう。

参考文献

人事興信所 編『人事興信録』《上》（14版）人事興信所、1943年。
『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
神社新報社 編『神道人名辞典』神社新報社、1986年。
衆議院; 参議院 編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
霞会館 編『平成新修旧華族家系大成』《上巻》吉川弘文館、1996年。
井上順孝ほか 編『新宗教教団・人物事典』弘文堂、1996年。
* 國學院大學日本文化研究所 編『神道人物研究文献目録』弘文堂、2000年。

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