北川 (五ヶ瀬川水系)

北川（きたがわ）

北川は、大分県佐伯市と宮崎県延岡市を流れる、五ヶ瀬川水系における最大の支流です。その源流は、大分・宮崎県境に位置する祖母傾山系に端を発し、大分県佐伯市宇目町を南へと流れ、北川ダムに注ぎます。その後、宮崎県延岡市北川町に入り、さらに南下し、河口付近で五ヶ瀬川と合流します。

合流地点では、五ヶ瀬川と祝子川とともに三角州性の平野を形成し、日向灘へと注いでいます。上流部では田代川という名で呼ばれています。一級河川としての北川の上流端は、大分県佐伯市宇目大字小野市の集口・坂口に位置します。

地理

北川は、その源流から河口までの間に、山間部から平野部へと地形が変化します。上流部では急峻な山々を流れ、中流部では比較的緩やかな流れとなり、下流部では平野を蛇行しながら流れます。この地形の変化が、北川の多様な生態系を育んでいます。

災害

過去には、北川流域で大規模な水害が発生しています。特に1997年（平成9年）9月16日には、台風19号によって記録的な豪雨に見舞われ、場所によっては700mmもの降雨量を記録しました。この豪雨により、下流部では当時の治水能力を超える5,000m3/sもの水量が流れ込み、住宅地域で大規模な氾濫が発生しました。五ヶ瀬川流域全体で約3,000戸の家屋が浸水し、1名の方が亡くなるという甚大な被害が発生しました。

この災害を契機に、国は河川整備計画を見直し、河川激甚災害対策特別緊急事業として、1997年から2001年度までの5年間で総事業費119億円を投入し、下流部の住宅密集地域を中心に堤防の建設や水門の設置などの治水対策が実施されました。

実施された主な治水対策

築堤: 総延長6,800m（左岸3,100m、右岸3,700m）の堤防を建設
掘削: 60,000m3の河床掘削を実施
水門: 4ヶ所（大武川水門、友内川水門、追内川水門、寺島水門）に水門を設置

支流

北川には、以下のような多くの支流が流れ込んでいます。

大武川
友内川
追内川
杭が内谷川
友内川（分流）
大峡谷川
家田川
川坂川
大内谷川
小川
木口谷川
仁田ノ内川
桑原川
中岳川
市園川
田原川
河尻川
黒原川
中山川
釘戸川
中ノ内川

河川施設

北川には、以下の河川施設があります。

北川ダム: 大分県佐伯市宇目南田原地区に位置するダムで、洪水調節や灌漑用水の供給などの役割を担っています。

脚注

参考文献
河川大事典（日外アソシエーツ 1991年）
外部リンク
五ヶ瀬川水系北川激甚災害対策特別緊急事業 事後評価説明資料（国土交通省 九州地方整備局）
北川の浸水想定区域 - 宮崎県

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