北広島市立西の里中学校陽香分校

概要

北海道北広島市西の里に位置する北広島市立西の里中学校の分校です。この学校は、児童福祉法第44条に基づいて運営されている児童自立支援施設「北海道立向陽学院」に入所している生徒を受け入れるために設けられています。対象となるのは女子生徒に限られており、男子生徒は通学することができません。施設という特別な環境下で生活する生徒たちに対し、中学校教育の機会を提供し、社会的な自立や元の学校への復帰を支援することを主な目的としています。

沿革

陽香分校の歴史は、2008年（平成20年）に始まります。この年、教育課程編成などの準備のため、石狩教育局から指導主事（教員）1名が向陽学院に配置されました。同年、北広島市議会の第4回定例議会において「学校設置条例の一部改正」が承認され、北広島市立西の里中学校陽香分校の設置が正式に決定されました。その後、北海道と北広島市をはじめとする関係機関の間で学校設置に関する協定書や基本方針が確認され、協定が締結されました。2009年（平成21年）4月1日、北広島市立西の里中学校陽香分校が開設。同月19日には開校記念式典が執り行われ、学校運営が本格的にスタートしました。同年には、知的障がいのある生徒に対応するための特別支援学級も開設され、教員2名が配置されるなど、教育体制の拡充が図られました。2010年（平成22年）3月からは、向陽学院主催による卒業証書伝達式が行われるようになりました。同年には事務職員が配置され、また執務室内の物品庫を改修して校長室が設置されるなど、学校施設の整備も進められました。さらに、各普通教室に可動式パーテーションが設置され、多様な学習スタイルに対応できる空間が整えられています。

教育目標

陽香分校では、生徒一人ひとりの成長と自立を促すため、以下の四つの教育目標を掲げています。

1. きまりや学習の意義を自覚し、目標に向かって計画的に生活する中で、基本的な生活習慣や学習態度を確立し、基礎的・基本的な学習内容を確実に習得できるようになること。
2. 常に笑顔と挨拶、感謝の気持ちを忘れず、自身の感情を適切に制御し、集団の一員として自己の役割を責任を持って果たせるようになること。
3. 自分自身と他者の健康を大切に考え、運動や音楽、美術、ものづくりなどの多様な活動を積極的に楽しむことを通じて、心身ともに調和の取れた、元気で活力ある生徒になること。
4. 社会的な自立を果たし、必要に応じて元の学校への復帰を実現したり、将来の進路目標を達成したりできるようになること。

これらの目標達成を通じて、生徒たちが困難を乗り越え、社会の中で自身の居場所を見つけ、健全な人生を歩んでいけるよう支援しています。

学校生活と教育内容

児童自立支援施設という環境にある陽香分校では、生徒一人ひとりの抱える状況や課題に応じた、きめ細やかな教育が提供されています。学習面では、これまでの学習の遅れを取り戻し、基礎学力を定着させることに重点を置き、個別指導や少人数での丁寧な指導が行われています。また、生活指導は教育活動の重要な柱の一つであり、規律正しい生活習慣の確立や、自己管理能力の向上を目指した指導が行われています。感情のコントロール方法や、他者との良好な関係を築くためのコミュニケーションスキルなど、社会性の育成にも力が注がれており、生徒たちが自己肯定感を高め、安心して学校生活を送れるよう、心理的なサポートも行われています。特別支援学級も設置されており、知的障がいのある生徒に対しては、それぞれの特性に合わせた専門的な教育が提供されています。

環境・アクセス

学校は、北海道立向陽学院の広大な敷地内に位置しています。本校である北広島市立西の里中学校とは道路を挟んで隣接しており、比較的近い距離にあります。また、同一敷地内には、児童自立支援施設に入所する小学生が通う北広島市立西の里小学校陽香分校もあり、小中学校が連携しやすい環境です。学校周辺には国道274号が通っています。公共交通機関を利用して学校を訪問する場合、JR北海道バスの循環新32系統または新札幌西の里線に乗車し、国道274号沿いにある「西の里学校通」バス停で下車後、徒歩でアクセスすることが可能です。

在籍者数

2023年（令和5年）5月1日時点の情報によると、学級数として「0.5」と表記されており、これは複数の学年の生徒が同じ教室で学ぶ複式学級が存在していることを示しています。ただし、具体的な生徒数に関する情報は公開されていません。最新の正確な在籍者数については、北広島市などの公式発表や学校の公表情報をご確認ください。

出典

本校に関する詳細な情報は、主に北広島市の公式ホームページなどで公開されています。

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