北斗星 (列車)

北斗星：かつての豪華寝台特急

北斗星（ほくとせい）は、日本の鉄道史に名を残す豪華な寝台特急列車で、上野駅と札幌駅を結んで運行されていました。この列車は、東北本線や青函トンネルを経由し、運行されたのは1988年3月13日から2015年8月22日までの約27年半にわたりました。寝台特急の中でも特に豪華なサービスが特徴で、食堂車やロビーカー、個室寝台が組み込まれていたことから、「日本初の豪華寝台特急」とも称され、多くの乗客に愛されました。

運行の概要

北斗星は青函トンネルが開通したことを受けて、東京から北海道へ直通運行を開始しました。この列車の運行距離は約1214.7 kmで、JRグループの定期旅客列車としては最長でした。運行開始当初、北斗星は1日3往復しており、その中で1往復は臨時列車として運行されていました。1989年にはすべての往復が定期列車となり、その後も人気を博しました。

1999年にはライバルである「カシオペア」が登場し、北斗星の一部の運行が臨時列車に格下げされました。しかし、その後も高い人気を誇り続け、多くの観光客に利用されていました。

車両と設備

北斗星に使用された車両は、24系客車で構成されており、全車尾久車両センターが所有していました。客室は、個室寝台車としてロイヤル、デュエット、ソロが用意され、B寝台も普及していました。食堂車「グランシャリオ」では、フランス料理や和食などが提供され、乗客は夜の車内で本格的なディナーを楽しむことができました。特に「ロイヤル」は、値段の高い寝台料金でしたが、充実したサービスを提供していたため、非常に人気でした。

存続の危機とラストラン

運行開始から26年が経過すると、車両の老朽化が進み、さらに北海道新幹線の開通が迫る中で、存続が危ぶまれる事態となりました。最終的に2015年3月14日のダイヤ改正に伴い、定期運行が終了しましたが、廃止前には臨時列車としての運行も行われました。2015年8月22日には札幌発の最終列車が運行され、多くの鉄道ファンや乗客が見送りに集まり、その歴史に幕を閉じました。

名称の由来

北斗星という名前は、天体の北斗七星や北極星に由来しています。この名前は、かつて夜行列車には天体にちなんだ名称がつけられることが多かったことを反映しています。運行開始時には、一般公募で決定された経緯もあり、最終的に名付けられた「北斗星」は158票を得て選ばれることとなりました。

まとめ

全長1214.7 kmを8時間で結ぶその運行は、多くの人に愛され続け、数々の思い出とともに鉄道史に残る存在となりました。今でも、北斗星を追憶する声や、そのサービスや運行形態が語られることがあります。特に豪華さと長距離の旅を楽しむスタイルは、後の新たな寝台列車にも影響を与えました。これからも、北斗星の魅力を感じ続けるファンは多いことでしょう。

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