北星学園余市高等学校

北星学園余市高等学校について

北星学園余市高等学校（ほくせいがくえんよいちこうとうがっこう）は、北海道余市郡余市町に位置する私立の全日制高等学校です。学校法人北星学園によって運営され、キリスト教の精神に基づいた教育を提供しています。略称として「北星余市高校」または「北星余市」と呼ばれています。

概要

この学校は、全国各地から高校中退者や不登校経験を持つ生徒など、多様な背景を持つ生徒を受け入れている点が大きな特徴です。卒業後の進路としては、約7割の生徒が大学や専門学校へ進学し、残りの3割が就職を選択しています。

沿革

• - 1965年（昭和40年）に開校し、当初は主に余市町や小樽市近郊の生徒を受け入れていました。
• - 1988年（昭和63年）には、全国から高校中退者を受け入れるための転入・編入制度を導入しました。
• - 1990年（平成2年）には服装の自由化を実施し、制服を廃止しました。
• - 1991年（平成3年）に完全週5日制を導入しました。
• - 1999年（平成11年）には頭髪の自由化が実現しました。
• - 2001年（平成13年）には、在校生による大麻やシンナーの吸引が発覚する事件がありました。
• - 2015年（平成27年）には、学校の存廃問題が表面化しました。

教育方針

北星学園余市高校は、キリスト教の精神に基づき、生徒同士が愛し合い、助け合うことを重視した教育を実践しています。また、健康な身体を鍛え、自然や社会を科学的に捉える力を養うことを目指しています。生徒の自主性や自発性を育むことにも力を入れており、教師、保護者、生徒が一体となった教育活動を展開しています。

年間行事

学校行事を重視しており、生徒が主体となって企画・実施しています。特に名物となっているのは、強歩遠足で、生徒は30km、50km、70kmのコースから選択し、自分のペースで完走を目指します。7月には、生徒が自身の不登校や中退経験を語る校内弁論大会が開催されます。その他、生徒会主催のボランティア活動や映画上映会なども行われています。

• - 4月：入学式
• - 5月：研修会（1年生）
• - 6月：強歩遠足
• - 7月：夏季スポーツ大会、校内弁論大会
• - 9月：学園祭（北星祭）
• - 11月：修学旅行（2年生）
• - 12月：冬季スポーツ大会
• - 2月：スキー遠足、予餞会
• - 3月：卒業式

特色

北星余市高校の最大の特徴は、中退者や不登校経験者を全国から受け入れていることです。年度途中での転入・編入も可能で、生徒の年齢層は多様です。卒業生の中には、母校の教師となった義家弘介氏がおり、彼の著書がテレビドラマ化もされました。現在では、全校生徒の4割が高校中退者、約6割が不登校経験者です。また、生徒の約8割が道外出身で、寮や下宿で生活しています。

入試制度

1年生の入学希望者向けには、推薦入試と一般入試があります。一般入試には、筆記試験と面接を行う試験と、保護者同伴の予約面接試験の2種類があります。2・3年生の転入・編入希望者も同様の試験方式で選考が行われます。

一日の活動

授業時間は45分で、月曜日が5時間、火曜日・木曜日が6時間、水曜日が4時間、金曜日は1年生が4時間、2・3年生が6時間となっています。午前中は、朝の読書や礼拝、ホームルームから始まり、午後は授業、ホームルーム、諸活動の時間となります。

存廃問題

長年の教育実績がある一方で、近年は通信制高校やサポート校の増加により入学者数が減少していました。そのため、2015年には学校法人北星学園が閉校を検討しましたが、その後、地域住民や学校関係者の努力により存続が決定しました。現在は条件付きで存続しており、生徒数確保に向けて取り組んでいます。

関係出版物

学校の教育実践や生徒たちの声をまとめた書籍が多数出版されています。

著名な出身者

• - 義家弘介（教育評論家、元衆議院議員）
• - KEN-U（レゲエシンガー）

関係者

• - 安達俊子（元教師）
• - 近藤典彦（元教諭、石川啄木の研究者）

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