近藤典彦

近藤典彦（こんどう のりひこ）は、1938年12月18日に北海道旭川市で生まれた、日本近代文学の研究者です。特に石川啄木を専門としており、その研究は多岐にわたります。

学歴と職歴

近藤氏は、1959年3月に北海道旭川東高等学校を卒業後、1964年3月に東京大学文学部国史学科を卒業しました。その後、1966年3月に東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専門課程を中退し、同年4月には北星学園余市高等学校の教諭に就任しました。教職のキャリアをスタートさせた後、1974年4月には成城学園中学校の教諭となり、1984年4月には同高等学校の教諭へと進みました。

1995年4月には群馬大学教育学部の助[[教授]]に就任し、1997年4月には同大学の教授に昇任しました。研究者としての活動も活発に行い、2003年4月には国際啄木学会の会長に就任し、2007年までその任を務めました。2004年3月には群馬大学を定年退職し、長年の教育研究活動に終止符を打ちました。

研究活動と受賞

近藤氏の研究の中心は、石川啄木の文学とその時代背景です。啄木の作品を丹念に読み解き、その思想や生き様を深く考察しています。特に『国家を撃つ者 石川啄木』は、1990年7月に第5回岩手日報文学賞啄木賞を受賞しており、彼の研究活動における重要な業績の一つです。

著書

近藤氏は、数多くの著書を発表しています。単著としては、以下のようなものがあります。

『マルクスの生産概念』（1984年）
『国家を撃つ者 石川啄木』（1989年）
『石川啄木と明治の日本』（1994年）
『啄木 六の予言―何が見えたのか、どう書き残したのか』（1995年）
『啄木短歌に時代を読む』（2000年）
『『一握の砂』の研究』（2004年）
『最後の剣聖 羽賀凖一』（2015年）
『増補改訂版　最後の剣聖 羽賀凖一』（2020年）

これらの著作から、近藤氏の研究テーマの広がりと深さがうかがえます。石川啄木に関する研究はもちろんのこと、マルクスの思想や武道の歴史にも関心を抱いていることがわかります。

また、共著や編著も多数発表しています。以下はその一部です。

『石川啄木入門』（1992年）
『1991国際啄木学会台北大会論集』（1992年）
『大逆事件に挑んだロマンチスト 平出修の位相』（1995年）
『論集石川啄木』（1997年）
『石川啄木事典』（2001年）
『「山月記」を読む』（2002年）
『論集石川啄木II』（2004年）
『名作百年の謎を解く』（2015年）

『群像日本の作家 7 石川啄木』（1991年）
『石川啄木と幸徳秋水事件』（1996年）
『一握の砂』（2008年）
『復元　啄木新歌集―一握の砂以後（四十三年十一月末より）・仕事の後』（2012年）
『一握の砂』（2017年）
『悲しき玩具　一握の砂以後（四十三年十一月末より）』（2017年）

これらの著作からも、近藤氏が石川啄木の研究に深く関わっていることがわかります。また、他の研究者との共同研究も積極的に行い、研究の幅を広げていることがうかがえます。

近藤氏の研究の特徴

近藤氏の研究の特徴は、石川啄木の文学作品を単に文学的に分析するだけでなく、その時代背景や社会状況、そして啄木自身の思想や生き様を深く掘り下げている点にあります。特に、啄木の作品に込められた国家や社会に対する批判精神に着目し、彼の文学を現代社会においても重要な意味を持つものとして捉えています。

また、国際啄木学会の会長を務めた経験からも、国内外の啄木研究者との交流も盛んであり、その研究は国際的な視野を持っています。

まとめ

近藤典彦氏は、石川啄木研究の第一人者として、その文学と時代背景を深く考察し、多くの著作を通じてその研究成果を発表してきました。彼の研究は、啄木作品をより深く理解する上で不可欠であり、現代社会における啄木の文学の意義を再考する上で重要な役割を果たしています。

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