北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会

北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会について

北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会、通称「守る会」は、1994年に設立された人権団体です。主に、日本から北朝鮮に帰国した在日朝鮮・韓国人やその日本人配偶者の権利と生命を守るために活動しています。この団体は、元東京大学教授の小川晴久や元朝鮮総連幹部の金民柱、ジャーナリストの萩原遼などが結成に関与しました。

結成の背景

「守る会」の設立は、1993年に東京都中野区で開かれた証言会がきっかけとなりました。この会には、在日朝鮮・韓国人や日本人が集まり、帰国者の実情について語る場となりました。特に印象深かったのは、北朝鮮で兄を失った朴春仙や、平壌留学の経験を持つ李英和の証言です。彼らの証言を通じて、北朝鮮には「管理所」や「教化所」と呼ばれる強制収容所が存在し、多くの北朝鮮人民が厳しい状況に置かれていることが明らかになり、参加者は大きな衝撃を受けました。

この証言会からさらに大規模な集会の開催が求められ、1993年11月には約200名が参加する大集会が実現しました。この集会にも朴春仙や李英和のほか、多くの証言者が登場し、帰国者のおかれた悲惨な状況を伝えました。それにより、参加者同士の連携が強まり、この運動が本格化していきました。

組織の固まりと活動開始

1994年の正月には、帰国者問題を中心に活動する恒常的な組織の設立準備が進められました。その際に、小川が提案した「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」という名称が受け入れられ、組織名が決定しました。同年設立の際には、約180名が参加し、様々な意見が交わされました。

しかし、設立の場には朝鮮総連からの妨害者もおり、設立総会は緊迫した状況となりました。妨害を乗り越え、会則案は賛同をもとに成立し、「守る会」は正式に発足しました。

現在の活動

「守る会」は、北朝鮮の拉致被害者を支援するためのキャンペーンや人権問題に関する啓発活動を行っています。たとえば、「70円で北朝鮮の拉致被害者に葉書を送ろう」という葉書キャンペーンは、多くの人々の関心を引き、支援を呼びかける活動の一環です。

現在の代表は山田文明さんで、団体内には副代表の三浦小太郎、名誉代表として小川晴久、金民柱、萩原遼らが名を連ねています。また、機関紙『かるめぎ』を通じて、活動の報告や情報の発信も行っています。

「守る会」では、帰国者の権利と人権を守るために、今後もさまざまな活動を続けていく姿勢をあらわしています。今後の活動に注目が集まります。

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