北村淳 (軍事評論家)

北村淳 - 軍事社会学者

北村淳（きたむら じゅん、1958年 - ）はアメリカ合衆国を拠点に活動する日本の軍事社会学者および軍事コンサルタントです。東京都出身で、東京学芸大学を卒業後、警視庁の公安部などでの勤務経験を持ち、1989年に北アメリカへ移住。その後、ハワイ大学やブリティッシュ・コロンビア大学で助手として活動し、戦争の発生メカニズムの研究を通じてブリティッシュ・コロンビア大学から社会学の博士号（Ph.D.）を取得しました。彼は現在、シアトルを拠点に軍事コンサルタントとしても知られ、多くの著書を執筆しています。

主な理論と提言

北村氏は、日本の防衛政策に対して独自の見解を展開しています。彼によれば、日本の防衛は「海洋国家防衛原則」に基づく必要があり、これは自国の領域と海上交易を守ることを基本としています。この原則のもと、敵から自国の領域を守るためには、海上での撃退が不可欠です。

さらに、彼は長距離巡航ミサイルの配備を進めることで、中国や北朝鮮の核戦力に対抗できると主張しています。この抑止力は、日本の安全保障にとって重要な要素であると考えています。

陸上自衛隊についても、彼はその人員規模が過剰であるとし、縮小と共に「災害救援隊」を創設する必要があると述べています。これはアメリカ海兵隊の幹部たちの見解とも一致しており、彼の著書の中でもこの「緊急展開災害救援隊」の創設を提案しています。

日本の軍事的独立

北村氏は日本がアメリカの軍事的属国から独立するためには「重武装永世中立主義」を国是とするべきだと考えています。このアプローチは、日本が自国の防衛能力を強化する道を示唆しています。また、独自の核抑止力を持つ場合には「非核戦略兵器」に依存する必要があると強調しています。

主な著作

北村氏は、数多くの著作を通じてその理論を広めています。以下に代表的な著書を挙げます。

• - 米軍最強という幻想（PHP研究所、2024年）
• - 米軍幹部が学ぶ最強の地政学（宝島社、2021年）
• - シミュレーション日本降伏：中国から南西諸島を守る「島嶼防衛の鉄則」（PHP研究所、2019年）
• - トランプと自衛隊の対中軍事戦略（講談社、2018年）
• - 巡航ミサイル1000億円で中国も北朝鮮も怖くない（講談社、2015年）
• - 尖閣を守れない自衛隊（宝島社、2012年）
• - 島嶼防衛：われらいかにして守るのか（明成社、2012年）

北村氏の著作は、日本の安全保障に関する議論の一端を担っており、彼の議論が日本の政策に与える影響は大きいと言えるでしょう。

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