北条三郎 (幻庵長男)

北条三郎の生涯

北条三郎（ほうじょう さぶろう）は、戦国時代の武将であり、北条幻庵の長男として知られています。彼の生没年は不詳ながら、永禄3年の1560年7月20日に亡くなったことが確認されています。一般的には、その諱を「時長」とする説も存在しています。三郎はその名からも分かるように、北条家の重要な一員と考えられています。

所領と地位

『小田原衆所領役帳』によれば、三郎は約1620貫文の所領を持ち、これは当時の武将の中で第4位に相当します。特に、彼は小机衆の筆頭として小机本郷（現在の横浜市港北区）を拠点としており、176貫文余の所領を持つとともに、小机衆26名を従えていました。彼は北条幻庵と同じ名前の「三郎」を名乗り、その所領の一部を継承したことから、幻庵の後継者に位置付けられていたと推測されます。これにより、彼は小机城主の地位を保っていたと考えられています。

高い地位と関係

永禄元年の1558年4月、古河公方足利義氏が北条氏康の私邸を訪れた際、三郎は氏康の弟である北条氏尭や伊勢八郎に次いで三献目の給仕を務めました。このことから、もともと高い地位を有していたことがわかります。三郎が幻庵の長男であったため、彼は北条氏康の従弟にあたることになります。彼は北条家の中でも重要な役割を果たしていたと言えるでしょう。

死去と後継

しかし、三郎は永禄3年に亡くなりました。法名は「宝泉寺殿大年宗用大禅定門」であり、実子は存在しませんでした。このため、弟の氏信が家督を継承することになりますが、氏信は若年でありました。そのため、北条氏尭が小机城主を務めることになったのです。三郎の死去の影響により、北条家の後継問題が浮上したことは、当時の政局にも大きな影響を与えました。

菩提寺

北条三郎の菩提寺として伝えられているのが、小田原市風祭の宝泉寺です。この寺は、三郎の存在を今に伝える重要な場所となっており、彼の功績や生涯を知るための資料が存在しています。このように、北条三郎の生涯は戦国時代の複雑な勢力図の中で際立ったものであり、今なおさまざまな研究がなされています。

参考文献

• - 黒田基樹『戦国北条家一族事典』（戎光祥出版、2018年） ISBN 978-4-86403-289-6 P175-176.

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