北条茂時

北条茂時の生涯と業績

北条茂時（ほうじょう もちとき）は、鎌倉時代末期に活躍した北条氏の重要な一員であり、鎌倉幕府の最後の連署として知られています。彼は、第12代執権である北条煕時の息子であり、母親は第9代執権・北条貞時の娘という血筋を持っています。茂時の生まれた年は明確ではありませんが、彼が左近将監に任命された年齢から、嘉元元年（1303年）頃と推定されています。このため、彼は若くして官職を歴任することになります。

茂時は、正和4年（1315年）に父煕時の死去により家督を相続し、和泉守護職に就任しました。当初、彼は若すぎるため執権を継承する話はあったものの、結局は実現しませんでした。しかし、彼は数々の重要な役職を歴任し、特に嘉暦元年（1326年）には引付頭人に任じられたのを皮切りに、さらなる昇進を遂げました。この年には、右馬権頭にも転任しています。

彼の連署への昇進は嘉暦2年（1327年）で、この年の北条維貞の死後に空席となった連署職に、16代執権・北条守時から任命されました。茂時は、北条氏における重要な役割を果たし、幕府の運営に関与していました。

しかし、彼の政治生活は長く続きませんでした。元弘3年/正慶2年（1333年）5月22日、彼は新田義貞の鎌倉侵攻に直面し、北条高時をはじめとする一族とともに、菩提寺である東勝寺で自害に追い込まれました。彼の享年は、推定される生年より考えると30歳前後と見られています。

年譜

• - 1315年（正和4年）: 家督を相続し、和泉守護職に就任。
• - 1317年（文保元年）: 従五位下として左近衛将監に叙任。
• - 1326年（嘉暦元年）: 5月13日に引付頭人に、9月4日に右馬権頭に転任。
• - 1329年（元徳元年）: 正五位下に昇進し、右馬権頭如元。
• - 1330年（元徳2年）: 連署に異動。
• - 1333年（元弘3年）: 鎌倉幕府滅亡に際して東勝寺にて自害。

名前の読みについて

茂時の名前の読み方には異説があります。従来は「しげとき」とされていましたが、最近の史料により「もちとき」がより正確であるとの見解が出されています。これは、当時の文書で見られる「関東当国司右馬権頭持時」という表現から推察されるものです。彼の名前は、江戸時代の将軍徳川家茂（いえもち）と同音であることから誤記されることもありましたが、正確には「もちとき」と読むべきです。

異説

また、北条茂時と同一視されることのある南部茂時についての系図も存在しますが、これは戦国時代に作成されたものであるため、直接の関連は薄いと考えられています。

北条茂時の業績や生涯は、時代が変わる中で的確に評価され続けており、特に鎌倉幕府の最後の重要人物の一人として、歴史に名を刻んでいます。

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