北東州 (ケニア)

ケニア北東州：歴史、文化、地理

ケニア北東州は、ケニアの北東部に位置する州で、州都はガリッサです。面積は12万6902平方キロメートルと、ケニアで3番目に大きな州であり、2009年の人口は231万757人です。伝統的にソマリ族の居住地であり、ソマリアとの国境に接しているため、難民キャンプも存在します。

歴史

20世紀後半まで、ケニアはイギリス領東アフリカの一部でした。当時、現在の北東州にあたる地域は北部辺境地区 (Northern Frontier District, NFD) と呼ばれていました。イギリスからの独立に際し、この地域の住民はソマリアとの合併を希望しましたが、ケニア政府はこれを認めませんでした。その結果、ソマリ族の民族統一主義運動が起こり、政府との間で対立が続きました。

人口構成

北東州には、ガリッサ、ワジール、マンデラなどの主要都市があり、オガデン氏族、デゴディア人、ムルレ人、アジュラン人、ガレー人、イサックなど、多様なソマリ系の氏族が居住しています。以下は、北東州の人口推移です。

1979年：37万3787人
1989年：37万1391人
1999年：96万2143人
2009年：231万757人

地理と気候

北東州は半乾燥地帯に位置し、暑い気候が特徴です。降水量は少なく、主に4月と10月に雨が降りますが、年によって変動が大きいです。そのため、乾燥に強いヒトコブラクダの放牧が盛んです。州内には水量のある川がなく、住民は井戸に頼って生活しています。家畜はケニア全体の6〜7割を占め、中東やアジアへ輸出されています。

主要都市

以下は、2009年時点での北東州の主要都市の人口です。

ガリッサ：11万383人
マンデラ：5万7692人
エルワク：2万4368人
ラム：2万4037人
タカバ：2万1474人
ワジール：1万6838人
マサラニ：1万4012人

隣接する州と国

北東州は、以下の州および国と隣接しています。

北：オロミア州 (エチオピア)
東：ソマリア
南：海岸州
西：東部州

産業

北東州の主要産業は、家畜の放牧です。特にヒトコブラクダは、乾燥した気候に適しており、重要な収入源となっています。また、中東やアジアへの家畜輸出も盛んです。

環境

北東州には、絶滅危惧種のレイヨウであるヒロラなどが生息しています。野生動物が豊富ですが、ヒロラ、ガゼル、キリンなどの生息数の減少が報告されています。野生動物の保護が課題となっています。

交通

地域最大の空港は、ワジール空港です。元々は軍事用として使用されていましたが、現在は民間航空にも利用されています。

地域区分

北東州は、以下の地域に区分されます。

ガリッサ地区
ワジール地区
マンデラ地区

関連項目

シフタ紛争
大ソマリア主義
* 領土問題

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