北極星2号

北極星2号：北朝鮮が開発した準中距離弾道ミサイル

北極星2号（ほっきょくせいにごう）は、朝鮮民主主義人民共和国、つまり北朝鮮によって開発された準中距離弾道ミサイル（MRBM）であり、NATOのコードネームではKN-15と呼ばれています。このミサイルは、北朝鮮の核能力を強化するための重要な要素として位置付けられており、弾道ミサイル技術の進展を示しています。

発射実験と性能

2017年2月13日、朝鮮中央通信が報じたところによれば、北極星2号は2月12日に行われた発射実験で成功を収め、その際には最高指導者である金正恩が立ち会いました。このミサイルは意図的に高い角度で発射され（いわゆるロフテッド軌道）、高度550kmまで上昇し、約500kmの距離を飛行して日本海に落下したとされています。ミサイルの発射場所は、北朝鮮の北西部にある平安北道の車両試験場であったとする分析が、ジョンズ・ホプキンズ大学の北朝鮮分析サイト「38North」の衛星写真を基に行われました。

韓国国家情報院によると、北極星2号の射程はなんと2000kmを超えており、これは固体燃料を用いた北極星1号の改良型とされています。このため、ミサイルは即座に発射することができ、発射機には特別な無限軌道の専用車両を使用しており、山岳地帯での運用にも適しています。この高い隠密性により、中距離弾道ミサイルであるムスダンよりも脅威度が高いとされています。

技術の進化と不正輸出

北朝鮮の固体燃料ロケット技術は、1990年代から開発が進められてきたとされ、特に1994年3月には日本の企業が北朝鮮に対してミサイルの固体燃料の製造に使用できる機器を不正に輸出していたことが明らかになっています。この際、朝鮮総連傘下の在日本朝鮮人科学技術協会が手配し、北朝鮮系の商社を介して輸送が行われました。これらの機器は、貨客船「万景峰号92」を使って新潟から北朝鮮に送られたとされています。

その後の発射実験

翌月の4月5日にはアメリカ太平洋軍が北朝鮮による北極星2号の2度目の発射実験を分析しました。その結果、同日行われたミサイルは高さ189kmまで上昇し、60kmを飛行して日本海に落下したとの報道がなされましたが、これは北極星2号ではなくスカッドERであるという分析も報じられています。このことから、発射実験は失敗に終わったとされています。

その後、5月21日には平安南道北倉から北極星2号の発射実験が行われ、高度500km、距離560kmを飛行して日本海に着地しました。翌日には、北朝鮮の公式な報道機関である朝鮮中央通信が、この実験が完全に成功したことと、金正恩委員長がこのミサイルの実戦配備を承認したことを伝えました。

関連項目

北極星2号は、他の弾道ミサイルシステムと共に、北朝鮮の軍事技術の進展を示しており、関連する技術や可能性について考察することが重要です。これには、ノドン、テポドン、核ミサイル、ミサイル防衛（MD）などが含まれます。

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