北極星1号

北極星1号（KN-11）の概要

北極星1号は、朝鮮民主主義人民共和国、通称北朝鮮によって開発された潜水艦発射弾道ミサイル（SLBM）です。このミサイルは、NATOによるコードネームでKN-11とも呼ばれており、国際的な関心を集めています。北極星1号は、北朝鮮の軍事技術の向上を示す重要なシンボルと位置付けられています。

開発の経緯

北極星1号は2015年に開発がスタートしました。最初の発射は2015年5月4日に行われ、朝鮮中央テレビがその様子を放映しました。この映像では、金正恩第一書記がSLBMの打ち上げを視察している場面が確認され、5月9日には成功したとの報道がありました。発射は北朝鮮の東海岸に位置する新浦港から行われたと推測されています。

その後も度重なる発射試験が行われ、2016年8月24日の試験ではミサイルが約500km飛行し、日本の防空識別圏内の海上に落下しました。この時点で、北極星1号が一定の技術的進展を見せたことが示されました。

設計と技術

北極星1号の外観は、かつて旧ソ連で使用されていたR-27（SS-N-6「サーブ」）に似ています。これにより、北朝鮮のミサイル技術が過去の技術に依存していることを示唆しています。ただし、2016年の発射試験において、ミサイルは固体燃料を用いていることが確認され、以前のR-27系列のミサイルとは異なることが明らかになりました。

発射方法にはコールド・ランチシステムが採用され、これは高圧蒸気を利用してミサイルを打ち上げ、その後にロケットブースターに点火します。発射プラットフォームとしては、リバースエンジニアリングされたゴルフ型潜水艦が利用されています。報告によれば、2003年頃に潜水艦発射装置がロシアから輸入され、その後の技術向上に寄与したとされています。

試験映像と信頼性

公開される映像に対して、軍事評論家からは疑問が呈されています。たとえば、金正恩が指さしている姿やミサイルとの距離感から、合成写真の可能性が高いとの指摘がされています。また、北朝鮮のウェブサイトには試験映像が公開されていますが、これはアメリカ海軍のSLBMトライデントIの映像を加工したものではないかとする懸念も存在します。2015年5月には、米国の高官も映像の信憑性について疑問を呈しました。

まとめ

北極星1号の開発は、北朝鮮による軍事力増強の一環として位置づけられ、高度な技術を持つ弾道ミサイルとしての特徴を際立たせています。これにより、地域の安全保障に対する脅威も高まってきています。今後の発展がどのように進むか、引き続き注視が必要です。

このミサイルの進化は、単なる技術的な進展にとどまらず、国際的な緊張を高める要因ともなり得るため、その動向から目が離せません。

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