北欧光学望遠鏡

北欧光学望遠鏡（Nordic Optical Telescope: NOT）

北欧光学望遠鏡（NOT）は、スペインのカナリア諸島、ラ・パルマ島のラ・パルマ天文台に設置された、国際協力による光学望遠鏡です。この望遠鏡は、デンマーク、スウェーデン、アイスランド、ノルウェー、フィンランドの5か国によって共同で建設され、1988年に最初の光を捉える「ファーストライト」を達成、翌1989年から本格的な観測を開始しました。

望遠鏡の構造と特徴

NOTの主鏡は、直径2.56メートルという大口径を誇ります。この主鏡は、薄く作られており、そのゆがみを補正するために能動光学という技術が用いられています。能動光学システムは、望遠鏡の観測中に主鏡の形状を調整し、常に最適な状態で観測できるようにする重要な役割を果たしています。

観測装置

NOTには、さまざまな観測ニーズに対応するため、多種多様な観測装置が搭載されています。これらの装置は、可視光から赤外線まで、幅広い波長範囲での観測を可能にしています。主な観測装置には、以下のようなものがあります。

ALFOSC: 可視光観測用の400万画素CCDカメラ。
NOTCam: 近赤外線観測用の100万画素HgCdTeハワイ赤外線カメラと分光計。
MOSCA: 広視野観測用の1600万画素CCDカメラ。
SOFIN: 高分解能分光観測用のCCD分光計（分解能R=170,000まで）。
StanCam: スタンバイ用の100万画素CCDカメラ。
LuckyCam: ラッキーイメージング法を用いた高速度低ノイズL3Vision CCDカメラ。
TURPOL: UBVRI光度偏光計。
FIES: 熱と振動から遮断された、交差分散型高分解能エシェル分光器（分解能R=60,000まで）。

これらの観測装置を組み合わせることで、NOTは天体の様々な側面を詳細に観測することができます。例えば、ALFOSCやMOSCAは星や銀河の画像を取得するのに適しており、SOFINやFIESは星の化学組成や運動を調べるのに役立ちます。NOTCamは、赤外線でしか見えない天体の観測を可能にし、LuckyCamは、大気の影響を最小限に抑えた高解像度の画像を取得できます。

[小惑星] NOT

NOTの功績を称え、[小惑星]には「NOT」という名前が付けられています。この小惑星は、NOTが天文学の分野に大きく貢献している証と言えるでしょう。

まとめ

北欧光学望遠鏡（NOT）は、国際協力の象徴であり、高度な技術と多様な観測装置を備えた、天文学研究に不可欠な施設です。この望遠鏡によって、宇宙に関する多くの発見がなされ、私たちの宇宙に対する理解が深まっています。

外部リンク

not.iac.es - official site.
Nordic Optical Telescope on Wikimapia

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