北江

北江（ほくこう）

北江は、中国南部を流れる大河、珠江の重要な支流の一つです。珠江水系の中で、西江に次いで大きな支流であり、その本流の長さは約468キロメートルに及びます。流域面積は珠江水系全体の10.1％を占め、広大な範囲に影響を与えています。

上流部：湞江（ていこう）

北江の上流部は湞江と呼ばれており、その長さは約211キロメートルです。湞江は江西省贛州市信豊県の南嶺山脈（大庾嶺）に源を発し、山岳地帯の渓谷を流れ下ります。その後、南の広東省に入り、南雄市、始興県、仁化県といった地域を通過し、韶関市の市街地で武江と合流します。この合流地点から、川は「北江」という名に変わります。湞江には、墨江や錦江などの支流が流れ込んでいます。

本流：北江

韶関市で武江と合流した後、北江はさらに南へと流れ、南水、滃江、連江、潖江、浜江、綏江など、多くの支流と合流します。これらの支流からの水が加わることで、北江はより大きな川へと成長していきます。最終的に、北江は仏山市三水区で西江と合流し、その水は珠江デルタの複雑な河川網へと流れ込んでいきます。

北江流域の気候と水文

北江流域は亜熱帯気候に属しており、年間を通して高温多雨です。年間の平均降水量は約1,800ミリメートルにも達し、特に4月から9月にかけての降水量が年間降水量の80％を占めるなど、雨季に集中した降雨が見られます。年間の平均流量は482億立方メートルで、水資源が豊富であることがわかります。また、北江の年平均シルト含有量は1立方メートルあたり0.126キログラムと、比較的土砂の少ない川であることが特徴です。

北江の利用

北江は、水力発電にも重要な役割を果たしています。上流部の湞江区には孟州壩水力発電所、英徳市には白石窯水力発電所といった大規模な発電所が存在します。また、清城区の飛来峡には、治水、防災、発電を目的とした多目的ダムが建設されており、北江の水資源が多方面に活用されていることがわかります。

北江は、中国南部の経済活動や人々の生活を支える重要な河川であり、水資源の管理や環境保護が重要な課題となっています。

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