北浜町 (高松市)

北浜町（きたはまちょう）

高松市の中心部にあたる町丁で、郵便番号は760-0031です。町域全体で住居表示に関する法律に基づく住居表示が実施されています。

地理

北浜町は、高松市役所から約1.2キロメートル北に位置する、市中心部の都心北端に広がっています。その境界は、北側と東側が高松港および東浜港に面し、南側は市道北浜町4号線、西側はフェリー通りで区切られています。かつて西側には高松城の中堀が広がり、海に突き出す半島のような形状をしていましたが、明治期に実施された高松港の拡張工事に伴う埋め立てにより、現在の陸地となりました。

町内を見ると、フェリー通りや市道高松港海岸線沿いにはオフィスビルなどが並びますが、その内側へ入ると、一戸建ての住宅や集合住宅が見られ、静かな住宅街を形成しています。特に北部には住宅が少なく、かつて倉庫街として使われていたエリアが、2000年（平成12年）に商業施設「北浜alley」として生まれ変わりました。また、かつては宇野港との間を結ぶ宇高国道フェリーの乗り場がありましたが、2012年（平成24年）10月17日に運行を終了しました。町内には香川県漁業協同組合連合会の本部があり、東部の東浜港には漁船が数多く係留されており、この一帯には昔ながらの漁師町の雰囲気が残されています。高松港に面した北浜町周辺はウォーターフロントとして整備が進んでおり、2008年（平成20年）5月31日には、かつての荷揚げ場跡地に遊歩道や休憩スペースを備えた「北浜プロムナード」が完成しています。

2010年の国勢調査によれば、この町の人口は491人（男性215人、女性276人）、世帯数は237世帯でした。面積はおよそ6万8千平方メートルで、人口密度は約7194人/km²となります。公立の小中学校に関しては、町域の全てが高松第一小学校および高松第一中学校（小中一貫校）の校区となっています。

都市計画法上の用途地域は、町全体が容積率400%の商業地域に指定されています。

歴史

町名の由来は、高松城の城下町の北端に位置し、海に面した浜辺であったことに因むとされています。現在の北浜町は、昭和5年（1930年）に、それまでの下横町（しもよこまち）と北浜材木町（きたはまざいもくまち）が統合されて誕生しました。なお、同じ場所には江戸時代にも一時的に北浜町という名の町が存在していました。

統合前の下横町は、松平氏が高松に入封後、魚屋町の沖合を埋め立てて作られました。町名は、御用屋敷があった上横町（現在の本町の一部）の「下」（北側）に位置することに由来します。中堀を挟んで高松城内郭に接し、玉藻橋で結ばれていました。明治7年（1874年）には田中庄八が松平家から船を買い取り、神戸・大阪への定期船を就航させます。そのターミナルを建設するため、明治13年（1880年）にこの町の前方の海を埋め立てて広大な土地を造成し、汽船問屋や長い波止場（田中の波止場と呼ばれた）が築かれました。

北浜材木町は、城下町の北端に位置し、材木置き場があったことに由来します。松平氏が高松城を拡張する際に、魚屋町の沖合が埋め立てられて「北浜」と呼ばれ、魚屋町に隣接する東西の通りに材木が置かれるようになりました。その後、享保・寛政年間にかけて北浜の範囲は広がり、文化年間には船の出入りが可能な波止場や番所、高灯篭が設置され、「北浜町」と呼ばれるようになりました。ただし、慶応年間には撞木町と称された時期もあったようです。対岸の東浜町（現在の城東町の一部）とは渡し船が往来していました。この地域は漁師町でもあり、北濱恵美須神社の御神体は、この町の漁師が海底から拾い上げたという冠の形をした石で、これを祀って大漁を祈願したと伝えられています。

明治23年（1890年）2月15日、それまで城下町を構成していた各町を区域として高松市が市制を施行し、下横町および北浜材木町はその一部となりました。明治30年（1897年）には、高松港の築港拡張工事で浚渫した土砂を利用して、下横町と内郭の間の中堀が徐々に埋め立てられました。中堀にかかっていた玉藻橋は撤去され、渡し船が利用されるようになり、玉藻町が成立した明治39年（1906年）頃には渡し船も廃止されました。

昭和5年（1930年）には、下横町と北浜材木町が統合されて、現在の北浜町が新設されました。昭和20年（1945年）7月4日未明の「高松空襲」では、町内の多くが壊滅的な被害を受けました。空襲で大きな被害を受けた高松市中心部では戦災復興土地区画整理事業が実施され、北浜町も南部がその対象となり、多くの街路が拡幅・改良されました。この区画整理事業は昭和39年（1964年）1月25日の換地処分公告をもって完工しました。その後、昭和33年（1958年）や昭和39年（1964年）、昭和44年（1969年）2月10日の住居表示実施に伴い、町域の一部が周辺の町と編入・編出されています。

かつて四国における物資の物流拠点として機能した高松港に面していたため、町内には昭和初期に建てられた倉庫が多く存在しましたが、瀬戸大橋の開通によりその役割を終えました。しかし、これらの古い倉庫街が持つレトロな雰囲気が見直され、高松港沿いのウォーターフロントとして開発計画が進められ、平成12年（2000年）には若者向けの商業施設「北浜alley」が開業しました。

主要施設

北浜alley
特別養護老人ホーム 玉藻荘
香川県農機具商工業協同組合
香川県漁業協同組合連合会（香川県漁連）本部
北浜小公園
北濱恵美須神社
天理教讃濱分教会

※かつてあった宇高国道フェリー本社・高松港のりばは運行終了後、解体されています。

校区

公立小中学校区は以下の通りです。

高松市立高松第一小学校
* 高松市立高松第一中学校（小中一貫校）

都市計画

都市計画における用途地域は、全域が商業地域（容積率400%）に指定されています。

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