北海学院

北海学院の概要

北海学院（ほっかいがくいん）は、かつて札幌市に存在した各種学校であり、その設立は新しい教育機関の創設を目指した大きな構想の一部でした。教育を広げる財団法人北海学園が、北海高等学校の設置にともない、1949年に開校しました。学院は、新制大学設立の準備を視野に入れたカリキュラムを持ち、4年制の教育を行っていました。

教育内容

北海学院では、英語科目において英語や英米文学、商業英語などが提供されていたほか、経済学や経営学、法律学、工学など多岐にわたる分野を網羅していました。具体的には、経済学では経済史や簿記、金融論、会計学、労務管理論、監査論があり、法学では憲法、民法、商法、労働法などがありました。また、工学科目として建築学、農産製造学、土木工学を学ぶことができました。さらに、教養科目として歴史学、国文学、人文地理学、哲学、社会学、数学、生物化学、芸術論、映画論も提供されるなど、その教育は非常に多様性に富んでいました。

沿革と組織

北海学院は1949年に開校され、経済学部、法文学部、工学部が設立されました。経済学部には経済学科と商業学科、法文学部には法政学科と英文学科、工学部には殖産工学科と土建工学科が置かれ、それぞれで入学定員は200名となっていました。しかし、1949年の開校からわずか1年で閉校が決定され、在学生は北海短期大学に編入されました。

教育関係者

学院には著名な教職員が在籍しており、山内繁雄が歴代院長を務めていました。この他にも、ハワイ大学や早稲田大学の元教授たちが教鞭をとっており、教育の質は高かったといえます。また、在籍していた教職員には金巻賢字、中島九郎、野口祥昌、土屋四郎、阿部利雄、川村琢などが名を連ねています。出身者には吉川宏や櫻井淳などの人物がいることでも知られています。

学生生活とキャンパス

北海学院は、開学したもののわずか1年で閉校となったため、学生たちは北海短期大学に移籍しました。キャンパスは札幌商業高等学校の二階に位置しており、比較的簡素な施設であったと伝えられています。さらに、北海学院には同窓会という組織は存在せず、学生生活は短期間であったために、校友同士のつながりも薄かったとされています。

終息と影響

北海学院の歴史は短いものでしたが、その理念やカリキュラム設計は後の教育機関に影響を与えた部分もあったとされています。開校からわずか1年で閉校となった要因には、当時の経済状況や教育ニーズの変化があったと思われますが、一方で多様な学習機会を提供したことは大いに意義のある試みでした。学園の関係者や出身者たちはそれぞれの分野で活躍し、北海学院の存在は忘れられつつあるものの、当時の努力が次世代の教育方針に何らかの形で影響を与えていることは間違いありません。

もう一度検索