北海道ちほく高原鉄道

北海道ちほく高原鉄道の概要

北海道ちほく高原鉄道株式会社（ほっかいどうちほくこうげんてつどう）は、2006年まで北海道でふるさと銀河線を運営していた鉄道事業者です。この事業者は沿線自治体などの出資により設立された第三セクター方式の一例であり、本社は北見市に位置していました。

発足までの経緯

もともと、池北線として国鉄が運行していた路線が、1984年に特定地方交通線として認定されたことが北海道ちほく高原鉄道の発端です。1985年には運営が国鉄・JR北海道に委ねられたものの、沿線自治体はその存続を強く求め、1988年に第三セクター鉄道に転換する方針が決定されました。このような流れを経て、1989年に北海道ちほく高原鉄道株式会社が設立され、運営するふるさと銀河線がスタートしました。

営業開始までの準備

1989年に設立された後、事業者は数々の準備を行い、6月4日に正式に新たな路線としての営業を開始します。開業記念列車が北見駅と池田駅から出発し、多くの歓迎を受けました。

営業運行の特徴

ふるさと銀河線の運行は当初、国鉄時代のダイヤを踏襲しましたが、徐々に改良が施されました。1991年にはJR北海道帯広駅への直通運行が開始され、利便性が向上しました。また、「ふるさと銀河線友の会」が発足し、地元との結びつきを強化する施策が実施されました。特に、ビール列車やミステリー列車などのイベント列車が運行され、多くの利用者を集めました。

設備と施設の更新

鉄道系システムの近代化も図られました。老朽化が進む中で駅舎は複合施設化され、利用者の便を図る取り組みが行われました。また、1990年代以降、鉄道軌道の集中管理装置（CTC）の導入が進められるなど、技術的な更新も行われました。

経営状況と厳しさ

しかしながら、2000年代に入ると、利用者は減少し続け、経営が厳しさを増していきました。経営安定化基金が底をつく兆しが見え始め、存続議論が活発に行われました。沿線自治体の負担や北海道との関係性の中で、存続のための具体策はなかなか見つからず、厳しい状況に陥りました。

廃線の決定

2005年にはついにふるさと銀河線の廃止が決定され、2006年4月20日に営業を終了しました。この日は、さよなら列車が走り、多くの人々の別れを惜しむ姿が見られました。

清算と解散

廃止日以降も清算作業が続き、2008年に清算が完了し、北海道ちほく高原鉄道は消滅しました。廃止から約2年後には、最終の株主総会が開催され、すべての業務が閉じられました。

結語

北海道ちほく高原鉄道は、地域の交通網として、多くの人々に愛されていました。しかし、経営の課題や利用者の減少に直面し、廃線に至るまでの軌跡は、地域交通の厳しい現実を物語っています。この経験は、今後の地域交通の在り方を考えるうえで貴重な教訓となるでしょう。

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