北海道護國神社

北海道護國神社

北海道旭川市に鎮座する北海道護國神社は、国の安寧のために尊い命を捧げられた、北海道および旧樺太に関わりのある戦没者や国事殉難者約63,141柱を祀る、由緒ある護国神社です。

沿革

その創祀は明治35年（1902年）に遡ります。当時第7師団長であった大迫尚敏陸軍中将（後に陸軍大将）を祭主として執り行われた第一回招魂祭が、神社の歴史の始まりと位置付けられています。その後、正式な社殿建設の動きが本格化し、明治43年には第7師団長上原勇作中将（後に元帥陸軍大将）と北海道庁長官河島醇が連名で招魂社建設願を提出。この願いは直ちに認められ、明治45年（1912年）5月には社殿の建設工事が完了、同年6月に盛大な落成式と例大祭が執り行われました。

当初は第7師団によって管理される招魂社でしたが、大正5年（1916年）には北海道招魂場へと改称されます。さらに時代が進み、昭和9年（1934年）には杉原美代太郎中将をはじめとする多くの人々が内務省に対し、北海道招魂社としての創立を願い出ます。翌昭和10年（1935年）、内務大臣より正式な許可が下り、社号を「北海道招魂社」と改め、同年6月には工事竣工奉告祭と鎮座祭が執り行われました。

昭和14年（1939年）4月1日、内務省令により指定護国神社となり、名称も現在の「北海道護國神社」と改められます。昭和19年（1944年）には樺太護國神社の創建に伴い、祀られる対象の範囲に一時的な変更がありましたが（終戦後に合祀）、神社の役割は揺るぎませんでした。

皇室・要人の崇敬

創祀以来、多くの皇室の方々や要人がこの神社を崇敬し、参拝に訪れています。大正11年（1922年）には、当時摂政宮であった後の昭和天皇が御使を遣わして代拝されました。昭和11年の天皇行幸の際には祭祀料が奉納されています。また、昭和期には賀陽宮恒憲王妃、梨本宮守正王妃、李王垠妃、李鍝公妃といった方々が参拝されました。

第二次世界大戦終結後、連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）による「国家神道・神社神道ニ対スル政府ノ保証、支援、保全、監督並ニ弘布ノ廃止ニ関スル件」、通称「神道指令」は、北海道護國神社を含む全国の護国神社に存亡の危機をもたらしました。GHQは護国神社を軍国主義的な宣伝に利用されたものと見なし、監視対象としました。これにより、神社は政府や自治体からの支援を断たれ、宗教法人としての運営を余儀なくされます。この困難な時期、GHQの目を避けるため、昭和21年（1946年）10月からは一時的に社号を「北海道神社」と称しました。しかし、サンフランシスコ講和条約が締結され、日本の主権が回復した昭和26年（1951年）には、旧称である北海道護國神社へと復帰しました。

戦後も、皇室からの崇敬は続きました。昭和29年（1954年）には高松宮宣仁親王と同年に三笠宮崇仁親王が参拝されました。昭和33年（1958年）には単立宗教法人として新たな歩みを始めます。その後も、昭和38年（1963年）に義宮正仁親王（後の常陸宮）が、翌昭和39年（1964年）には秩父宮妃が参拝されました。そして、昭和43年（1968年）6月14日には、昭和天皇と皇后両陛下が共に親拝・参拝されるという光栄を得ました。同年12月には、それまで別にあった北鎮神社が北鎮安全神社として境内に遷座・合祀されています。

今日に至るまで、北海道護國神社は、国の礎となった人々の御霊を慰め、その功績を顕彰する場として、多くの人々の心の拠り所となっています。

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