北海郡

北海郡（ほっかいぐん）

北海郡は、中国にかつて存在した郡であり、漢代から唐代にかけて、現在の山東省濰坊市一帯に設置されていました。

歴史

前漢

紀元前148年（景帝中2年）に北海郡が設置され、青州に属しました。当時の北海郡は、営陵、劇魁、安丘、瓡、淳于、益、平寿、劇、都昌、平望、平的、柳泉、寿光、楽望、饒、斟、桑犢、平城、密郷、羊石、楽都、石郷、上郷、新成、成郷、膠陽の26県を管轄していました。『漢書』によると、前漢末期には12万7000戸、59万3159人の人口を擁していました。

後漢

52年（建武28年）、魯王劉興が北海王に改封され、北海国が置かれました。北海国は、劇、営陵、平寿、都昌、安丘、淳于、平昌、朱虚、東安平、高密、昌安、夷安、膠東、即墨、壮武、下密、挺、観陽の18県を管轄しました。

晋

晋代になると、北海郡の管轄県は縮小され、平寿、下密、膠東、即墨の4県を管轄しました。

南朝

南朝宋の時代には、都昌、膠東、劇、即墨、下密、平寿の6県を管轄していました。南朝斉の時代には、都昌、広饒、贛楡、膠東、劇、下密、平寿の7県を管轄していました。

北魏

北魏の時代には、下密、劇、都昌、平寿、膠東の5県を管轄していました。

隋

583年（開皇3年）に隋が郡制を廃止した際、北海郡も廃止され、青州に編入されました。しかし、607年（大業3年）に州が廃止されて郡が再び置かれると、青州は北海郡と改称されました。この時、益都、臨淄、千乗、博昌、寿光、臨朐、都昌、北海、営丘、下密の10県を管轄しました。

唐

621年（武徳4年）に唐が成立すると、北海郡は青州と改められ、青州総管府が置かれました。742年（天宝元年）には再び青州が北海郡と改称されましたが、758年（乾元元年）には北海郡は青州と改称され、以後、北海郡の呼称は歴史から姿を消しました。

北海郡は、その時代によって管轄する県や名称が変化しましたが、山東省濰坊市一帯において重要な役割を果たした地域であったと言えるでしょう。

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