北畠神社

北畠神社の概要

北畠神社は、三重県津市美杉町上多気に位置する神社で、国の史跡「多気北畠氏城館跡」内に鎮座しています。この神社は、初代伊勢国司として南朝を支えた北畠顕能を主祭神としており、建武中興十五社の中で、近世からの歴史を持つ唯一の神社です。

歴史

神社の由来書によると、寛永20年（1643年）に北畠具房の4代目の子孫である鈴木孫兵衛家次が、旧縁の地に小祠を建て、北畠八幡宮と称したのが始まりとされています。当初は八幡神のみが祀られていましたが、元禄年間には北畠顕能も祀られるようになりました。その後、八幡三神に倣い、北畠親房と北畠顕家も合祀されました。

明治時代に入り、1881年（明治14年）には村社北畠神社と改称されました。1907年（明治40年）には多芸村内の16社が合祀され、1916年（大正5年）には宝庫や社務所などが整備されました。1928年（昭和3年）には社殿が新造され、主神が遷座し、同年11月10日には別格官幣社に昇格しました。かつて神社の別当寺であった真善院は、天保11年（1840年）に火災で焼失し、1898年（明治31年）に廃絶しました。

祭神

主祭神:
北畠顕能

配祀:
北畠親房
北畠顕家

祭事

元旦祭（1月1日）
建国記念祭（2月11日）
祈年祭（2月17日）
初午祭（3月午の日）
伊勢国司講社大祭（5月5日）
秋季大祭（10月13日）
新嘗祭（11月23日）

境内末社

多芸神社：1907年（明治40年）に合祀された多芸の産土神
留魂社：北畠具行、北畠満雅、北畠具教、北畠一族並びに家臣、郎党、農民の戦死者を祀る

文化財

史跡（国指定）：北畠氏館跡（「多気北畠氏城館跡」のうち）
2017年（平成29年）4月6日、北畠氏館が続日本100名城（153番）に選定されました。
名勝（国指定）：北畠氏館跡庭園
1936年（昭和11年）9月、「北畠氏館跡庭園」として国の史跡及び名勝に指定。
北畠氏の居城跡は別途「霧山城跡」として同年に国の史跡に指定。
2006年（平成18年）7月に「北畠氏館跡庭園」と「霧山城跡」を統合し、「多気北畠氏城館跡 北畠氏館跡 霧山城跡」の名称で改めて国の史跡に指定。

交通

JR名松線比津駅から徒歩60分、またはタクシーで約10分
JR名松線家城駅から津市コミュニティバス（美杉地域）で約45分、「北畠神社前」下車（1日4便）

参考文献

二六興信所編纂、山田米吉編『勤王事蹟別格官幣社精史』二六興信所、1935年
安津素彦・梅田義彦編集兼監修者『神道辞典』神社新報社、1968年
白井永二・土岐昌訓編集『神社辞典』東京堂出版、1979年

関連項目

建武の新政

外部リンク

* 北畠神社 - 津市観光協会

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