北神急行電鉄7000系電車

北神急行電鉄7000系電車

北神急行電鉄7000系電車は、1988年の北神線開業に合わせて1987年から製造された通勤形電車です。2020年6月1日に神戸市が北神急行電鉄の資産を譲受したことに伴い、神戸市交通局の所属となりました。

概要

神戸市営地下鉄西神・山手線と共通の規格である、アルミ合金製19m3扉車体を採用しています。窓配置や編成構成も同線に準じています。製造は川崎重工業が担当し、寸法、性能、運転関係の機器配置は神戸市交通局1000形に準拠しつつ、VVVFインバータ制御などの新技術が導入されました。

主回路制御装置には、三菱電機製のGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御が採用され、1つの制御装置で4つの電動機を駆動する1C4M方式です。6両編成でのMT比は1:1、起動加速度は3.0km/h/sです。ブレーキ装置には、回生ブレーキ併用の電気指令式ブレーキが採用されています。

台車は、住友金属工業製のSUミンデン式空気ばね台車が採用されています。電動台車にはFS531、付随台車にはFS031が使用されました。

内装は、親会社である阪急電鉄の影響を受け、座席にはゴールデンオリーブ色のモケット、内壁にはマホガニー木目調のデコラが用いられています。連結面には阪急タイプと同様の、バネで互いに押し合うタイプの転落防止幌が設置されました。車体塗装は、アイボリー地に窓周りが淡茶色のツートンカラーです。

放送装置は、車内・車外にスピーカーが設けられ、車外スピーカーは冷房装置のキセ内に設置されています。北神線でのワンマン運転に対応した自動放送装置を備え、2012年7月1日からは西神・山手線でも自動放送が開始されました。

車種構成

当初は5両編成で登場し、神戸市の車両が6両編成化された1989年に4号車が増結されました。車両番号の附番方法も阪急式に準じていますが、中間電動車が2種類あるため、区別のためM2車を+100としています。

改造・更新

2005年10月以降、車体再塗装の際に側面窓上に英字ロゴ「Hokushinkyuko Railway」が表記されるようになりました。2014年12月から2015年1月にかけて、客室灯・乗務員室灯がLEDに変更されました。冷房装置の交換も行われ、2018年に全編成の交換が完了しました。

2015年度からは機器更新工事が実施され、VVVF制御装置がGTO素子からフルSiC-MOSFET素子に交換されました。主電動機の出力に変更はありませんが、開放型から全密閉型に換装されています。更新車は7000-A系または7000-C系に形式変更されました。

廃車とその後

神戸市交通局では、ホームドア設置に合わせて西神・山手線の全車両を6000形に置き換える計画が進められました。当初は7000系の置き換え予定はありませんでしたが、市営化後は置き換え対象となり、2023年度に6000形への置き換えが完了し、形式消滅となりました。2023年8月18日のダイヤ改正をもって定期運行を終了しました。

7051号車の前頭部はカットモデルとして名谷車両基地で保存され、2023年10月の交通フェスティバルで展示されました。

運用

神戸市営地下鉄北神線、西神・山手線の谷上 - 西神中央間で運用されていました。西神・山手線では1993年から1995年まで快速列車が運行されていましたが、7000系は快速には使用されませんでした。

歴史

1987年（昭和62年）6月8日：第1編成搬入。
1988年（昭和63年）4月2日：第5編成まで出揃い運用開始。
1989年（平成元年）11月11日：5両編成から6両編成化。
2002年（平成14年）12月16日：日本初の毎日実施の終日女性専用車両を設定。
2020年（令和2年）6月1日：神戸市交通局所属となる。
2023年（令和5年）8月18日：定期運行を終了。

7000系電車は、北神線、西神・山手線の発展に貢献し、多くの人々に利用された車両です。

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