北美濃地震

北美濃地震

北美濃地震（きたみのじしん）は、1961年8月19日の午後2時33分33秒に石川県加賀地方で発生した地震です。震源は石川・福井・岐阜県の境界近くで、緯度36度6分42秒、経度136度42分0秒の位置にありました。震源の深さはおよそ10kmであり、地震の規模はMw 6.4と推定されていますが、Mは6.5から7.5と多くの値が示されています。これが直接的な強震の要因であると言われています。

地震の特徴

北美濃地震は直下型地震であり、そのため震源地周辺では非常に強い揺れが発生しました。特に、岐阜県北部の白山中居神社や白川村の大白川第二御母衣ダム建設現場付近では震度5が観測され、白山中居神社から銚子ヶ峰にかけてのエリアでは震度6を記録しました。この地震の揺れは、中部地方の西部から関東地方、中国地方まで及び、多くの地域で感じられました。

余震とその影響

地震発生直後から余震が観測されましたが、三河[[地震]]に比べるとその活動は非常に少なかったとされています。余震域の広がりは予想よりも狭く、本震後約1週間にわたり観測された余震も、全体的に規模が小さいものでした。特に、Mが5から6程度の強い余震は見られず、大多数の余震は小規模にとどまりました。また、本震とは直接の関連が不明な地域で局所的な震源があることも確認されています。

被害状況

被害は主に福井県で集中して発生しました。この地域では道路や山が崩れ、特に大野市の湯上では100m以上の長さにわたって道路に亀裂が生じ、沈下現象が見られました。深刻な地滑りも発生し、工事現場では作業員が生埋めとなり、4名が亡くなりました。家屋の被害は比較的少なく、特に山奥の人家が少ない地域では直接的な破損はあまり見られなかったものの、基礎の損壊による不同沈下が多く報告されています。

人的被害と関連性

人的被害も多く、岐阜県と石川県で確認されました。特に岐阜県大野郡白川村では、発電所建設の際に地すべりが発生し、多くの作業員が犠牲になりました。また、石川県では登山中の大学生を含む数名が命を落ちています。

研究者たちは、この地震が1948年の福井地震や1969年の岐阜県中部地震、1984年の長野県西部地震といった過去の大地震と関連性があることを指摘しています。これにより、北美濃地震も過去の地震活動の一環として考えられています。それぞれの地震が持つ地質的な特徴や震源域が共通しており、地震の発生メカニズムについての理解を深める手がかりとなっています。

最後に

北美濃地震は、特に福井県で深刻な被害をもたらし、地震の恐ろしさを再認識させる出来事となりました。今後も、このような地震に備えた対策が求められています。

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