北脇保之

北脇保之

北脇保之（きたわき やすゆき）は、1952年1月12日生まれの日本の自治官僚、政治家、そして多文化共生を専門とする政治学者です。彼は、その多岐にわたるキャリアを通じて、地方自治、国政、そして学術研究の分野で重要な役割を果たしてきました。

生い立ちと学歴

静岡県浜松市出身の北脇は、静岡県立浜松北高等学校を卒業後、東京大学に進学しました。1974年には東京大学法学部を卒業し、法学士の称号を取得。その後、アメリカのコーネル大学大学院に進み、1981年に政治学修士号を取得しました。

官僚としてのキャリア

東京大学卒業後、自治省に入省した北脇は、地方税務や財政分野でその手腕を発揮しました。栃木県税務課長、自治省自治税務局企画課理事官、自治省大臣官房参事官などを歴任し、地方自治の現場で豊富な経験を積みました。また、アメリカへの留学経験や、福岡市役所や福岡県庁での勤務を通じて、地方行政の多様な側面を深く理解しました。1995年には自治省を退官しています。

政界での活動

1996年、北脇は新進党から衆議院議員選挙に立候補し、初当選を果たしました。その後、新進党解党に伴い、国民の声、民政党を経て、民主党に参加。1999年には衆議院議員を辞職し、浜松市長選挙に出馬し、見事当選を果たしました。浜松市長としては、外国人集住都市会議を設立し、多文化共生社会の実現に向けた取り組みを推進しました。また、2期目の市長在任中には、平成の大合併を背景に、周辺市町村との合併を積極的に進め、浜松市を政令指定都市へと導きました。
2007年の市長選挙では、3選を目指しましたが、惜しくも敗れ、市長を退任しました。

学術界での貢献

政界を退いた後、北脇は学術研究の道に進みました。2007年に東京外国語大学教授に就任し、多言語・多文化教育研究センター長として、多文化共生に関する研究を深めました。また、城西大学現代政策学部社会経済システム学科の客員教授や、浜松聖星高等学校の理事長としても活躍しました。

著書

北脇は、地方税法や多文化共生に関する著作も発表しています。

『地方税法1』（共著、ぎょうせい、1992年）
『地方税法2』（共著、ぎょうせい、1992年）
『「開かれた日本」の構想――移民受け入れと社会統合』（編著、ココ出版、2011年）

受章

2022年春の叙勲で、旭日小綬章を受章。

まとめ

北脇保之は、自治官僚、政治家、政治学者として、多岐にわたる分野で顕著な功績を残しました。地方自治、多文化共生、そして学術研究における彼の貢献は、今日の日本社会において重要な意味を持ち続けています。

関連項目

国民の声
鈴木修 (実業家)
鈴木康友 (政治家)
多文化主義
民政党

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