北見富士 (北見市)

北海道北見市のシンボル、北見富士

北海道北見市に位置する北見富士は、標高1,291.1mの山です。その優美な山容は、遠くから望むと富士山を思わせることから「郷土富士」と呼ばれ、地域住民に親しまれています。山頂には二等三角点「三角山」が設置されており、北海道百名山にも選定されているなど、登山家にとっても魅力的な山です。

アイヌ文化と北見富士

古くからこの地に住むアイヌの人々からは「ユクリヤタナシ（鹿が越冬する山）」と呼ばれていました。この名称からも、北見富士が古くから人々の生活に深く関わり、自然の恵みを与えてきた山であることがわかります。アイヌ語の名称が示すように、豊かな自然環境と野生動物の生息地としての側面も併せ持っています。

もう一つの北見富士？

北見富士という名前の山は、実はもう一つ存在します。紋別市、滝上町、遠軽町の3町の境界付近に位置する、標高1,306.3mの山も「北見富士」と呼ばれており、地図上の表記ミスなどが原因で、現在では二つの北見富士が存在する状態となっています。どちらの山を指すのかは、文脈や地域によって異なり、明確な区別は定まっていません。歴史的な経緯から、紋別の山の方が先に「北見富士」と呼ばれていたという説もあります。

登山ルートと注意点

かつては明確な登山道が存在したようですが、現在は地図に記載されておらず、登山には注意が必要です。現在一般的に利用されているルートは主に2つあります。

ルート1：国道39号からのルート

国道39号から50号林道に入り、生間内橋を渡った地点から尾根に取り付き、北見富士南側の尾根を登るルートです。このルートは、藪漕ぎや倒木など、登山技術が求められる箇所があります。経験豊富な登山者向けといえます。しっかりとした装備と、道迷いに備えた対策が必要です。

ルート2：ケショマップ川からのルート

ケショマップ川沿いの道路から北見富士林道に入り、登山道へ入ります。ただし、台風被害の影響で林道の一部は通行止めとなっている場合があります。林道途中までは車でアクセスできますが、登山道入り口付近からは徒歩となります。ルート上は不明瞭な箇所があるため、こちらも十分な登山技術と注意が必要です。事前に最新の状況を確認してから登山計画を立てることが重要です。

どちらのルートも、十分な体力と経験、そして適切な装備が不可欠です。単独行は避け、複数人で登ることをお勧めします。また、天候の変化にも注意し、安全第一で登山を楽しんでください。

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